2026年3月20日(金・祝)・21日(土)、東京都・高円寺にてインディーゲームイベント「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」が開催されました。
本記事では、当日展示されたタイトルの中から注目のタイトルをピックアップし、会場の様子とともにお届けします。
2026年3月20日(金・祝)・21日(土)、東京都・高円寺にてインディーゲームイベント「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」が開催されました。
本記事では、当日展示されたタイトルの中から注目のタイトルをピックアップし、会場の様子とともにお届けします。
TEXT / 種村朋洋
EDIT / 浜井 智史
今回のTIGSは、以前の会場であった吉祥寺から東京都・高円寺のイマジナスに会場を変更して開催されました。
国内外から190以上のインディーゲームが集い、試遊・展示ブースが展開。一般公募やスポンサーによる展示タイトルだけでなく、独自開発コントローラーを用いたゲームを展示する「make.ctrl.Japan」ブースや、カフェスペースを利用した商談ブースなども展開されました。
一般公開日には入場チケットが売り切れるほどの賑わいが見られ、会場でインディーゲームを取り巻く熱量が感じられました。
『Lazy Witch’s Factory』は、ユニットを配置して資源や製品を生産・納品するラインを築き上げていく工場建設シミュレーションです。
不労所得につられて莫大な借金を背負ってしまった魔女を主人公に、制限時間30分で借金の完済を目指します。
一定の納品目標を達成するごとに、ユニットの生産能力やボーナスをランダムな選択肢から獲得できるというローグライト要素も導入。
制限時間が迫る中で、資材搬入と納品を効率的に行うユニットやレーンの構築を状況に応じて考える必要があり、試行錯誤で効率化を図る爽快感とキャラクターが可愛く動き回る様子が魅力的な作品です。
ゲームエンジンはUnityを採用し、キャラクターの2DデザインはSpineで作成しています。
実装にあたり水路のシステムの最適化に課題があったといいます。負荷の大きいMonoBehaviourクラスの動作頻度を減らし、C#コード上でアイテムが存在する座標を計算する方式に変更した結果、60fpsでの動作を可能にしています。
本作を開発した「メルトクロック」代表の松丸氏にお話を伺うと、開発する上で技術的に難しい点がありつつも工夫をこらしたことで独自性の高いゲームに仕上がっていると振り返っていました。
今後はまずアーリーアクセス版をリリースし、ユーザーのフィードバックを受けながら開発を進めていくとのこと。
特にランダム性のあるローグライト部分は、実際に遊んでもらうことで適切な戦略バランスが見えてくるといった例もあるといい、どのような選択をしても戦略性を堪能できる形を目指しているそうです。
『Lazy Witch's Factory』Steamストアページ『Staffer Retro: 超能力推理クエスト』は、韓国のゲームデベロッパー「Team Tetrapod」が手掛けるミステリーADVゲーム。
2023年4月に発売された『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』の続編にあたる作品で、前作から設定やストーリーを引き継ぎつつ、さらに世界観が拡大されています。
演出面も前作からパワーアップしており、動きのある立ち絵やムービーシーンを導入。これを受けて開発当初からキャラクターボイスの実装も決定していたといいます。
日本でのリリースも最初期から決まっていたそう。文字情報の多い本作をローカライズするにあたり、文化の違いに沿って適切な表現に変換しているほか、ハングル文字と漢字で視認性が異なる言葉を調整するなど、非常に長い時間をかけていると開発陣は語っていました。
展示ブースでは、現在デモ版として公開されている第1章までのストーリーをプレイできました。
開発状況について伺うと、ストーリーやゲームシステムなどの大部分は完成しており、現在はボイスの実装と細部の調整を控えているそうです。
また、クラウドファンディングを実施して資金調達を行う予定とのこと。ボイスの実装をメインストーリーだけでなく、シナリオ全体へ拡大することを目標としているそうです。
本作は2026年の夏頃に発売を予定しています。
『Staffer Retro: 超能力推理クエスト』Steamストアページ『SHIBUYA SUSHI MASTER 2688』は、海面上昇により沈みゆく運命にある未来の渋谷で、若き寿司職人が寿司屋を切り盛りするサイバーパンクADV。
プレイヤーは屋形船スタイルの寿司屋の店主となり、注文に合わせてお客さんに寿司を握ります。おなじみのマグロから、デブリウニや半導体といった個性豊かなネタが登場し、提供する寿司の内容によってストーリー展開が変化します。
開発者の方によると、本作は『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』や『Coffee Talk』といった「ナラティブダイアログゲーム」と呼ばれるジャンルに影響を受けているといいます。
これらのタイトルは海外で高い評判を呼んでおり、日本のサブカルチャーを強く意識して作られているものの、いずれも海外デベロッパーが開発しているという点に不思議な魅力を感じたそう。
そこで「日本人自ら日本を描き、海外プレイヤーに魅力を伝える」ことを目指して、本作の制作がスタートしたとのこと。
個性あふれる寿司たちには、独自にアレンジされた海外の寿司文化を再発見してほしいという願いが込められているのだとか。
本作はグローバル市場での展開が強く意識されており、試遊版の段階で中国語と英語をサポートしていました。
また本作のSteamページを開設したところ、ロシア語圏からのアクセスが殺到し、全体で3番目に多いアクセス数を記録したといいます。ロシア語圏は人口規模が大きく、インディーゲームのプレイ率が非常に高いという市場特性があるため、製品版に向けてロシア語やウクライナ語への対応を予定しているそうです。
一方で、世界観や日本独自の言い回しをローカライズする上で、多くの課題があるといいます。例えば、本作の主人公「ナミダ」の名前は、わさびを意味する隠語「涙」のダブルミーニングとなっていますが、これを外国語訳する際、発音だけで「Namida」とするのか、漢字の意味を汲み取った訳語にするのかなど、翻訳担当者と密に連絡を交わしながら慎重に作業を進めているそうです。
Steamにおける本作の発売日の表記は、開発が最終段階を迎えている中で正確な発表日が決まっていない「発表予定」となっています。
『SHIBUYA SUSHI MASTER 2688』Steamストアページ『キリングパペットショウ』は、人形劇をモチーフにした剣戟アクションゲームです。バトル中のシナリオ進行に合わせて敵やセリフを斬り伏せていく独自システムが採用されています。
企画・イラストを担当するamo氏が得意とする世界観の構築から本作は立ち上がっており、ゴシック調のアートスタイルと「夢」や「願い」をテーマにしたダークな世界観を特徴としています。
一人称の剣戟アクションとして開発されている本作ですが、現在のシステムが完成する以前はカードを用いたコマンドバトル形式を採用していました。
しかし、展示イベントでお客さんに遊んでもらったところ、カードバトル重視・ストーリー重視でプレイヤーの楽しみ方が二分されてしまったといいます。
開発チームには「ADVのようにストーリーやキャラクターを楽しんでほしい」という思いがあったため、より直感的で没入感のあるプレイ体験を生み出すためにバトルシステムの一新を決意。「キャラクターが大きく表示される」「キャラクターと向き合う体験」という要素を取り入れた、一人称視点の剣戟バトルへと生まれ変わったとのことでした。
本作は、amo氏、ますだたろう氏、OLDUCT氏の3人によって現在鋭意開発中。
小規模体制を取っていることもあり、開発中は事前に明確な仕様を固めず、イラスト担当者が作った素材をもとにエンジニアがプロトタイプを作り、実際の動きを確認してから修正点や必要な演出を見つけ出すというフローで開発を進めているそうです。
amo氏 Xアカウントますだたろう氏 XアカウントOLDUCT氏 Xアカウント今年で4回目となる「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」は来場者数が延べ1万2千人にまでおよび、大盛況のうちに幕を閉じました。2025年には、大阪版とも位置づけられるインディーゲーム展示会「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT」も開始され、その第2回が2026年10月3日(土)・4日(日)に開催決定しています。
今後さらにイベント規模が拡大し、数多くの作品が発表される舞台となっていくことを期待しています。
「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」公式サイト制作者の個性とこだわりが光るインディーゲームが大好きです。
ゲーム以外では謎解きイベントや漫画が好きです。
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