ハムスター型のかわいい「ハンディ殲滅兵器」と国を守るタワーディフェンス『MOCHI-O』。講談社GCLサポートのもとでも「じぃーま」氏らしさは健在【TGS2025】

ハムスター型のかわいい「ハンディ殲滅兵器」と国を守るタワーディフェンス『MOCHI-O』。講談社GCLサポートのもとでも「じぃーま」氏らしさは健在【TGS2025】

2025.09.30
注目記事インタビューイベントレポートUnity東京ゲームショウ2025
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

2025年9月25日(木)から28日(日)の4日間、千葉・幕張メッセにて日本最大規模のゲームイベント「東京ゲームショウ 2025(以下、TGS2025)」が開催されました。

世界各国から個性豊かな作品が集まった会場の中から、今回は「講談社ゲームラボ」ブースで出展していた、「じぃーま」氏によるかわいさ満点のタワーディフェンス『MOCHI-O』を紹介します。

TEXT / ハル飯田
EDIT / 藤縄 優佑

目次

愛らしいハムスターと一緒に国土を防衛

本作のタイトルにもなっている「もちお」は、一見するとただのかわいらしいハムスターですが、実は高火力を誇る「ハンディ殲滅兵器」。プレイヤーはもちおを担当する飼育員となり、お世話をしながら押し寄せる外敵に立ち向かいます。

さっきまでなで回してかわいがっていたもちおをむんずとつかみ、いざ出撃。画面右側から左側に向かって敵が押し寄せてくるため、マウスでカーソルを操作して狙いを定めます。攻撃そのものはもちおが自動で行ってくれるため、照準操作のみに集中しやすくなっています。

もちおをわしづかみしながら、襲来する敵に立ち向かう

敵を倒すと「ヒマワリの種」など、もちおの成長に必要なアイテムをドロップするので、適宜カーソルを合わせて回収しましょう。

敵を倒すだけでなく、ヒマワリの種をまとめて回収するのも気持ち良い

レベルアップするごとにもちおの性能をアップさせる選択肢が登場するので、プレイの度にお好みのもちおが育成可能に。ドロップアイテムの中にはカーソルを合わせ続けなければ取得・発動できないものもあり、攻撃とアイテム回収のバランスがポイントになりそうです。

ステージの終盤には一段と巨大な強敵も出現し、戦況はヒートアップ。画面左側にある防衛ラインを敵に突破されるとダメージを受けますが、すべての敵を倒せずとも制限時間を耐えきればステージクリア。

ルールも操作もいたってシンプルで、誰でも遊びやすい作品でした。

どんなに褒めても、食べて寝ることしか頭にないもちおのやる気が出るなんて……。

出てる!!

と、もちおのかわいさとコミカルさ、わしづかみにされながら戦うシュールさ。もちろん画面いっぱいの敵を打ち倒す爽快感もたっぷりと味わえる、お手軽かつユニークな作品に仕上がっている印象でした。

個人開発らしさ×講談社GCLのサポート

『MOCHI-O』を手がけるのは、「やさしい終末世界」をテーマに多数のスマートフォン向けゲームをリリースしている「じぃーま」氏。

じぃーま氏は2025年4月に、インディーゲームクリエイター支援プロジェクト「講談社ゲームクリエイターズラボ(以下、講談社GCL)」のメンバーとして採択され、今回のTGS2025には「講談社ゲームラボ」ブースで出展する運びとなりました。

そんな同氏に、『MOCHI-O』の開発について伺いました。

開発者のじぃーま氏

ゲームエンジンはUnityで、アートには「Aseprite」、効果音の作成には「GameSynth」を使用しています。

本作はPC(Steam)に対応していますが、従来作品よりも同時に多数のキャラクターが登場するようになったことで、処理負荷の軽減のためバッチ処理を実装するといった開発がなされています。

そのようにSteamに向けて開発している同氏は、かねてよりSteam進出を検討していたものの重い腰を上げられずにいました。その助けとなったきっかけは、インディーゲーム開発者向けカンファレンス「Indie Developers Conference 2024」で、講談社GCLの担当者さんと出会ったことだと話します。

関連記事
年に1回のリリースで生まれる“無限超パワー”が生き残りの秘訣。個人開発者じぃーま氏が語るゲーム開発戦略【IDC2024】
2025.01.10

講談社GCLのメンバーとなった今では、Steam進出以外の面でもさまざまなサポートを受けており、定期的な打ち合わせでは「話すことですごく(頭が)整理される」と、その効果も実感しています。

また、じぃーま氏が「8月ごろに急にフリーのミニゲームを作りたくなって、2週間で完成させました」と話すように、講談社GCLは開発者自身の自主性に寄り添っているようにうかがえました。

講談社の担当者の方も「ゲーム画面を一目見ればじぃーまさんの作品とわかるのは他にない才能で、今よりもさらに世界観を打ち出しても良いと思います」と太鼓判。

その言葉を裏付けるように、「講談社ゲームラボ」ブースには作品のファンが詰めかけ、盛んにコミュニケーションを取っていました。

ブースでは、トレーディングカード風デザインの出展タイトル紹介カードがランダムに5枚入ったパックを試遊者に配布。見事『MOCHI-O』を引き当てるファンの方も見かけた

出展前にクローズドで行ったテストプレイの反響を受けて、少し難易度を下げたところ来場者のクリア率は想定以上だったとのこと。本作は「とにかくもちおがかわいければ良い」とじぃーま氏は考えており、プレイヤーが気持ちよくクリアできることが作品の狙いにつながっていると改めて確認できたとも話していただきました。

(画像は講談社ゲームクリエイターズラボ公式サイトより引用)

本作はデバッグや翻訳を残すのみという段階まで完成しており、すでに次回作の開発にも着手しているとのこと。つねに作品を生み出し続けるじぃーま氏のスタイルは健在でした。

『MOCHI-O』紹介ページ https://creatorslab.kodansha.co.jp/products/3619/
販売サイト(ストアページ) https://store.steampowered.com/app/3596670/MOCHIO/
リリース時期 未定
じぃーま氏 Xアカウント「講談社ゲームラボ」公式サイト「東京ゲームショウ2025」公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

関連記事

ローカライズ不可能と囁かれた、“文字世界”を冒険するADV『文字遊戯』がついに日本語化。苦節3年の開発秘話を訊く【TGS2025】
2025.09.30
「東京ゲームショウ2026」、来年9/17(⽊)〜21(⽉・祝)に開催予定。ついに史上初の5日間開催へ
2025.09.29
アクロバティック日本列島爆走ゲーム『電車アタック』。爽快トリックアクションの着想や「日本らしさ」を描くこだわり【TGS2025】
2025.09.27
“会話”だけが頼りの2人協力フライトシム『Over the Radio』試遊レポート。操縦士/ナビゲーターで挑むリアルな飛行体験【TGS2025】
2025.09.27
『VALORANT』コラボPCが25万円以下で発売!「東京ゲームショウ2025」でお披露目された「OMEN 35L VALORANT Limited Edition」をレポート【TGS2025】
2025.09.26
ADV『雑音系少年少女』で活躍したUnity向けビジュアルノベル制作ツール「Naninovel」。その魅力と多言語対応の方法、注意点を紹介
2025.09.24

注目記事ランキング

2025.09.24 - 2025.10.01
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
ヘッドマウントディスプレイ Head Mounted Displayの略称。頭部に装着するディスプレイ装置の総称で、ゴーグルやメガネを模した形状が多い。Meta QuestやHTC Vive、PlayStaion VRなどの没入型と、HoloLensやMagic Leapなどのシースルー型に大別される。左右の目に対してわずかに異なる映像を描画することで、視差効果を利用した立体的な表現を可能にする。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!