スマホゲーム『IDOLY PRIDE』の「360°ライブ」QualiArts開発解説記事。現実のライブを参考にした視線誘導やドローンカメラ

スマホゲーム『IDOLY PRIDE』の「360°ライブ」QualiArts開発解説記事。現実のライブを参考にした視線誘導やドローンカメラ

2025.08.05
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この記事の3行まとめ

  • QualiArts、『IDOLY PRIDE新機能360°ライブのこだわり』と題した記事を同社エンジニアブログにて公開
  • 視線誘導機能は既存の機能を基に開発し、大きく体が動くダンスでも無理のない振り向きの姿勢を実現した
  • ドローンカメラ機能では、操作難易度をいかにして下げるかの開発過程について紹介

QualiArtsは2025年7月4日(金)、同社エンジニアブログにて『IDOLY PRIDE新機能360°ライブのこだわり』と題した記事を公開しました。

同記事では、スマートフォン向けゲーム『IDOLY PRIDE』で実装された360°ライブにおける開発のこだわりについて語られています。

『IDOLY PRIDE』では、サービス開始4周年を記念した新規機能として、360°ライブ機能が追加されました。360°ライブでは、従来のライブ撮影のように決められたカメラワークでライブ撮影を楽しむ形式とは異なり、「観客カメラ」「ドローンカメラ」など撮影体験の異なる5つのカメラモードが提供されています。

カメラモードの一つで、選択したアイドルを注視する「専用カメラ」(映像はブログ記事より引用)

また、独自の機能として、選択したアイドルをカメラで捉え続ける「アイドル注視機能」や、アイドルがカメラに目線を合わせる「視線誘導機能」などの機能が実装されています。

「360°ライブ」の視線誘導機能は、「360°ライブ」よりも前から実装されている「ポーズ撮影機能」の視線誘導機能を元に開発が行われています。

ポーズや目線を自由に決められる「ポーズ撮影機能」と比較し、360°ライブの視線誘導機能はダンスで大きく体が動くため、後ろを向いている時などカメラを見ることが難しい姿勢があったといいます。

「ポーズ撮影機能」では動きがないため無理のない姿勢で振り向かせることができていた(映像はブログ記事より引用)

そのため、視線誘導機能の改善を行い、動きながらでもアイドルの姿勢を正確に把握できるようにしたことで、「360°ライブ」でも無理のない姿勢での振り向きを実現しました。

「アイドルがこちらを見てくれた」と感じられるような専用の振り向き方は、実際のライブでのカメラ目線などを参考にして調整(画像はブログ記事より引用)

また、記事中では、カメラ機能の一つであるドローンカメラ機能について、「前後左右・高さ・角度」を調整する操作の難しさが開発の課題であったことにも言及しています。

この操作性の問題を解決するために、現実のドローンにある自動追従機能を参考に、常にアイドルが画面中央にいるようにカメラが回転する「アイドル注視機能」を開発し、ドローンカメラの操作性が向上したといいます。

開発の過程において、手触りや遊びの提案をエンジニアが行うことで、実装・意見集約のイテレーションが早めることができたため、難易度の高いドローンカメラの開発を操作性よく改善できたそうです。

ドローンカメラのアイドル注視機能(画像はブログ記事より引用)

記事中ではその他にも、コライダー可視化ツールを使ってアイドルの接近撮影を可能にしたことや、カメラの高さを5パターンほど用意して検証したことなどの開発面でのこだわり、振り付け・ライブエフェクトなどの演出面でのこだわりが語られています。

詳細はブログ記事本文をご確認ください。

『IDOLY PRIDE新機能360°ライブのこだわり』QualiArtsエンジニアブログ

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