自然な3Dアクションは下半身のボーン配置が鍵。『GUILTY GEAR Xrd』シリーズを用いた解説動画をアークシステムワークスが公開

自然な3Dアクションは下半身のボーン配置が鍵。『GUILTY GEAR Xrd』シリーズを用いた解説動画をアークシステムワークスが公開

2025.07.23
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この記事の3行まとめ

  • アークシステムワークス、『GUILTY GEAR Xrd』シリーズを題材に3Dモデルのボーン配置におけるTIPSを動画で解説
  • 同社のセミナーをYouTube用に編集した動画。ボーン配置がアクションの品質に及ぼす影響などを語っている
  • シリーズPart2となる今回の動画では、下半身や胴体におけるボーン配置について、位置の目安や考え方のTIPSなどを紹介している

アークシステムワークスは2025年7月16日(水)、『GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアクションのためのボーン配置TIPS Part2』と題した動画を公開しました。

本動画は、2020年に実施されたダイキン工業主催のセミナー「GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送る アクションのためのボーン配置TIPSセミナー」の録画映像を編集したもの。なお、セミナーで使用したスライド資料も公開されています。

セミナーでは『GUILTY GEAR Xrd』シリーズの開発事例を題材とした3Dモデル作成手法を解説。格闘ゲームなど激しいアクション・ポージングを伴うゲームにおいて人体表現のクオリティを向上させる技法が語られています。

『GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアクションのためのボーン配置TIPS Part2』

Part2と題した今回の動画では、下半身や胴体部分におけるボーン配置の目安紹介や、適切な位置に配置するための考え方の解説などが行われています。

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本講演では、ボーン配置においてもっとも大事な箇所は下半身であると紹介。「あらゆるアクションの根幹的なシルエット表現が行われる」「接地のためのIK設定など、リグが複雑化する傾向がある」といった理由を挙げ、とくに下半身の配置をマスターすることで効率が良くなると述べています。

例えば正面から見た股関節では、足の付け根(回転軸)を低い位置に配置してしまうことで、「足を開く」などの大きな動きにおいて形状が崩れてしまう問題に言及。

この問題に対しては、可動範囲から逆算して配置場所を考え、最大限に足を開いた場合と閉じた場合のシルエットが両立できる場所に配置するといった解決策が紹介されています。

(画像はスライド資料より引用)

(画像はスライド資料より引用)

また、股関節の前後位置の合わせ方についても、横からの視点をもとに紹介。足は前方に90度以上曲がることもあることから、腰全体のやや前側に配置することを推奨しています。

前後位置の目安としては、お尻部分の厚みを除外し、残った部分のおよそ中心であると解説。人間も元々四足歩行の動物であったことから、「人間の足は前に曲がるのに都合が良いようにできている」といった考え方ができると述べています。

そのほか、下半身では足首つま先といった部位ごとのボーン配置手法も紹介しています。

(画像はスライド資料より引用)

さらに、本動画では胴体部分のボーン配置も解説。胴体のボーン配置では、ウェイトを配置するボーン以外に全身の重心を担うボーンが必要であるとし、丹田(※)に回転軸を置くことで全身を回転させるようなアクションなどが作りやすくなると述べています。
※ 東洋医学や武術において用いられる概念で、へそ下三寸ほどの場所

ただし、宙返りなどのアクロバティックな動きでは重心が体の外に出ることがあり、丹田に配置したボーンの親として「移動できる重心」のボーンも作成しておくと良いとのこと。

(画像はスライド資料より引用)

ほかにも、背骨となるボーンの適切な数やその位置、同社で採用している「あえて前後位置に嘘をついた背骨の配置」など、多くの解説が行われています。

動画のラストではPart3の解説内容を予告。肩や手指など、上半身のボーン配置について解説するとしています。

詳細は同社のYouTube動画をご確認ください。

GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアクションのためのボーン配置TIPS Part2 | YouTube

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