アイテムや敵の配置が「スロット」で決まるローグライク『Slot & Dungeons』。ビルド次第では戦わずに敵を全滅させることも可能【BitSummit the 13th】

アイテムや敵の配置が「スロット」で決まるローグライク『Slot & Dungeons』。ビルド次第では戦わずに敵を全滅させることも可能【BitSummit the 13th】

2025.07.21
注目記事イベントレポートBitSummit2025
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2025年7月18日(金)から20日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催された「BitSummit the 13th」。

さまざまな作品が集まった会場の中から、今回は一風変わったデッキ構築の要素を持ったローグライク『Slot & Dungeons』を紹介します。

TEXT / ハル飯田
EDIT / 神谷 優斗

目次

各フロアの敵・アイテム配置はスロットで決定

Slot & Dungeons』は、複数階層からなるグリッド状のダンジョンを進み、最深部に待つボス撃破を目指すターン制のローグライク。

最大の特徴は、タイトルにもなっている「スロット」要素です。新しいフロアに移動すると、床の列がスロットにおけるリールのように縦回転。床の上に乗っている敵やアイテムも回転と連動して移動し、リールが止まったタイミングで敵やアイテムの初期配置が決まります

(画像はSteamストアページより引用)

スタート位置のすぐそばに敵の大群が配置されることもあれば、最初から次のフロアまでのルートが開けていることもあり、強めのランダム要素によって毎回遊びが変化する体験が味わえます。

運次第では急に理不尽な状況に陥る可能性もあるランダム要素ですが、目の前でリールが回転する光景や、配置完了時に発動する効果がどれだけ連鎖したかという「コンボ」演出などが不思議な納得感と満足感に繋がっています。

配置完了時に爆発し、周囲の敵にダメージを与える爆弾などのアイテムがある。爆弾の周りに敵が密集していればラッキー

配置が完了した後は、プレイヤーキャラクターを移動させて次のフロアへ続く階段を目指します。

敵にぶつかると、ダメージを受けつつも敵を攻撃できます。基本的に被弾しないと敵を倒せないため、戦いつつも床に落ちている回復アイテムを拾う必要があります。

ただ、戦わずに移動できる範囲に潤沢な回復アイテムが落ちていないこともあり、その際は「どの敵を倒して、どこまで行動範囲を広げるか」といったルートどりを考えることが重要になります。

最初に選択するプレイヤーキャラクターは、それぞれ異なる特性と窮地を打開するスキルを持っており、プレイ感が大きく変わる

本作の攻略における何よりのポイントは、スロット抽選用の「シンボル」を追加してオリジナルの抽選プールを作っていくこと。フロアごとに追加されていくエネミーにあわせて、攻撃アイテムや回復アイテムを計画的に補充していく「デッキ構築型」の要素も兼ね備えています。

インベントリ内のシンボルはいつでも確認可能

ローグライクらしいリプレイ性に加え、スロットの結果に一喜一憂する面白さ。そしてシンボルで敵を倒す爽快感に夢中になると自キャラとエネミーの力関係を見誤ってしまうような思いがけない難しさもあり、このゲームならではの独特なプレイフィールが確立されていました。

Godot Engineの軽量さでリッチな画面も快適に

Slot & Dungeons』はMUC GAMESに所属するエンジニア、SpaklewingGames氏による個人開発にて制作が進行中。

エンジンにはGodot Engineを使用し、音楽やドット絵にはアセットも駆使しながら独力での開発を進めているとのこと。

「自分がローグライクをやっていて面白いなと思ったことを好き勝手に入れていける」と、個人開発の長所も感じているとのこと

とあるゲームジャムで「スロットでダンジョンを構築するゲーム」を作ってみたところ高評価であったため、本格的に形にしてみようというきっかけで本作の開発がスタートしたそうです。

印象的なスロットによる「シンボル」配置はボス戦など必須のオブジェクトを除いては完全なランダムを採用しているため、「ビルド次第では配置だけで敵を全滅させることも可能」とのことで、自由度の高さが伺えます。

BitSummitの展示ブースの様子

また、ゲームのテンポ感にはこだわって開発されており、行動ごとに0.1秒単位の僅かなウェイトを入れたり、アイテムごとに異なる取得時の効果音を設定したりと、派手なビジュアルから受ける印象に沿った心地よいプレイフィールとなるような工夫も盛り込まれています。

見た目にも情報量が多くリッチな印象を受ける本作。グラフィック処理のパフォーマンスに関しては2Dゲームを軽量に動作させるGodot Engineの特長を大いに感じているそうで、ドットグラフィックならではの軽量さも相まって処理の面で課題を抱えることなく開発が進行できているそうです。

現時点で既に70~80%の開発が完了しており、今後はステージやプレイアブルキャラクターを追加していく作業に取り掛かる予定。今年中の早期アクセス開始を目指しています。

公式サイト(ストアページ) https://store.steampowered.com/app/3160090/
リリース時期 2025年早期アクセス開始予定
MUC GAMES 公式XSpaklewingGames氏 Xアカウント「BitSummit the 13th」公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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