「敵を捕食し続けないと4秒で死ぬ」最強生物を操作する見下ろしアクション『4DEAD』をプレイレポ。講談社ゲームクリエイターズラボの採択作品【BitSummit the 13th】

「敵を捕食し続けないと4秒で死ぬ」最強生物を操作する見下ろしアクション『4DEAD』をプレイレポ。講談社ゲームクリエイターズラボの採択作品【BitSummit the 13th】

2025.07.20
注目記事イベントレポートBitSummit2025
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2025年7月18日(金)から20日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催されている「BitSummit the 13th」

ありとあらゆるテーマの作品が集まった会場の中から、今回は「わずか4秒のタイムリミット」にフォーカスしたスピーディーでシンプルなアクションゲーム『4DEAD』を紹介します。

TEXT / ハル飯田
EDIT / 神谷 優斗

目次

4秒間の命を、敵を捕食し続けることで延命

『4DEAD』の主人公は、とあるハカセによって生み出された“最強無敵生物”である「42号」。

どんな攻撃にも負けない42号ですが、最強であるがために戦わずともエネルギーの消耗が激しく、なんと「4秒しか生きられない」という非常に残念な性能となってしまいました。

青くて丸いフォルムに悲しい宿命を背負った「42号」が生き延びるためにはエネルギーの補給が不可欠。そのため戦闘ではとにかく敵を捕食して寿命の4秒を延命しながら目標を達成していく、というユニークな設定の見下ろし型アクションゲームになっています。

操作方法は至ってシンプルで、スティック操作で42号を食べたい敵の近くまで移動させて、ワンボタンでガブリ。ちょっと遠い敵にはダッシュ移動も駆使しつつ食べまくり、延命の末にボスの撃破を目指します。

42号は無敵ゆえに敵の攻撃を受けても倒されることはありませんが、ノックバックが発生するため致命的なタイムロスになり得ます。さらに、食べるまで手間のかかるアーマーを保持した敵も登場するため、素早い判断と操作が求められます。

どれだけまとめて食べても寿命が4秒以上になることはないため、常に時間を気にしながら戦う『4DEAD』ですが、残り時間1秒以内になると「極限状態になった42号の世界がスローになる」というユニークなシステムも採用。

スロー状態で敵を食べれば「Just Eats」が発動し、捕食によるゲージ上昇量が増加。ゲージがMAXになると「Over Eats」となり、ノックバックも受けない完全無敵状態かつ「体当たりするだけで捕食可能」というフィーバーモードになるため、上手くスローを活用することが攻略のポイントになっています。

「得体の知れない主人公が、同じく得体の知れない敵をムシャムシャ食べまくる」という言葉だけ見ると不気味にも思える設定の作品ですが、テンポ良く爽快に遊べるゲーム性と随所に仕込まれたユーモアによって非常に心地よく、フフッと笑いながらも高得点を目指したくなる作品に仕上がっていました。

ハカセ誕生の契機は「講談社ゲームクリエイターズラボ」への採択

本作を手がけるのは、ゲーム開発者の「Kishiro」さん。

ゲームのアイデアは「アドレナリンを出し続けなければ1時間で死んでしまう毒」を盛られた主人公が奮闘する映画『アドレナリン』からヒントを経て生まれました。

とにかくシンプルなゲームを」という意識から、操作を「ダッシュ」と「捕食」の2ボタンのみに絞り、誰にでも遊びやすいシステムを構築したとのこと。

ロックオン機能も遊びやすさに一役買っている

ゲームエンジンはUnityで、ドット絵のグラフィック制作には「Aseprite」を使用。

開発は個人で進めてきましたが、2024年7月に講談社ゲームクリエイターズラボ」のラボメンバーに採択されたことで大きく状況が変化。デザイナーへの外注が依頼できるようになったことで「ハカセ」が誕生するなど、周囲の力も借りながら完成を目指す体制になったそうです。

生みの親ながらどこか他人事のハカセもユーモアを演出

どれだけ敵を食べても4秒という時間制限は変わらないため、ボス戦など長期戦になるステージでは敵が全滅してもすぐ次の敵がスポーンし、目標まで無限に“食いつなげる”仕組みになっているとのこと。

また、爽快感を生み出している残り1秒でのスロー演出については「どれくらいゆっくりにするか、かなり細かな刻みで調整してきた」とのことで、程よくスリルを味わいながらもテンポを損なわないラインの見極めも光っています。

最終的なステージ構成は全7ステージ+ボーナスステージを目指しており、2026年前半予定のリリースに向けて開発を進行中。「グラフィックを依頼できるようになったので、多くの人にフックできるようリッチにしていきたい」と、更なるブラッシュアップも視野に開発が進められています。

ラボメンバーを目指す「フェロー制度」から講談社ゲームクリエイターズラボのメンバーに採択されたKishiroさん

Kishiro氏 公式X https://x.com/KishiroUnity
リリース時期 2026年前半
Kishiro氏 公式X「BitSummit the 13th」公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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