シリコンスタジオ、ポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 4」をリリース。分かりやすい玉ボケ調整やパイプラインビュー搭載

シリコンスタジオ、ポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 4」をリリース。分かりやすい玉ボケ調整やパイプラインビュー搭載

2025.07.18
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この記事の3行まとめ

  • 2025年7月15日、シリコンスタジオがポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 4」の提供開始を発表
  • GPUアーキテクチャへの最適化とアルゴリズム改善により、波動光学による回折パターンや玉ねぎボケなどの光学エフェクトに対応し、かつ、高速な処理が可能になっている
  • 動的解像度やカラースコープ、パイプラインビューなど開発効率を高める補助機能も多数サポート

シリコンスタジオは2025年7月15日(火)、ポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 4」の提供開始を発表しました。

YEBIS」は、レンダリング前にフォトリアルな光学エフェクトを目視しながら付与できるポストプロセスミドルウェアとして、2006年の発表以来、ゲーム業界や映像業界で採用されてきました。

今回提供が開始された「YEBIS 4」は、近年のGPUアーキテクチャへの最適化とアルゴリズムの改善により、品質と速度の両面で進化しているとのこと。

特に、被写界深度ボケ、レンズフレア、収差といった光学エフェクトの表現力が大幅に向上しており、波動光学に基づいた回折パターンやレンズの形状によって生じる玉ねぎボケといった、より高度な写実表現が可能になった点が強調されています。

本物のアナモルフィックレンズのような複雑で独特な空気感を演出する「アナモルフィックレンズエフェクト」も搭載されました。

球面収差過剰補正によるバブルボケ表現。レンズを通った光がどのようなボケになるか確認しながら調整できる(画像はニュースリリースより引用)

絞り形状の表現とカスタマイズが可能(画像はニュースリリースより引用)

非点収差とぐるぐるボケ(画像はニュースリリースより引用)

「YEBIS 4」は、DLSSのようなハードウェアアップスケーリング技術との効率的な連携も可能です。これにより、ポストエフェクトを適切に適用しつつ、アップスケーリングのタイミング制御や中間的なアップスケーリングにも対応することで、品質とパフォーマンスのバランスを細かく調整できます

さらに、Temporal Antialiasing Upscaling (TAAU)にも対応しているため、DLSSなどのハードウェアアップスケーリングに対応していないプラットフォームでも、TAAUを利用して高速なアップスケーリングを実現できます

開発者の使いやすさも重視されており、解像度の異なる複数のビューポートへのエフェクト適用、動的な品質変更、動的解像度、カラースコープ、各種内部バッファ表示、エフェクトパイプラインとパフォーマンス表示、収差グラフ表示など、開発やデバッグに役立つ多様な補助機能がサポートされています

エフェクトと解像度の遷移および各エフェクトのパフォーマンス表示が行えるパイプラインビュー(画像はニュースリリースより引用)

「YEBIS 4」は、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Windows(Direct3D 11、Direct3D 12)に対応しています。

詳細はシリコンスタジオの「YEBIS 4」製品ページおよびニュースリリースをご確認ください。

「YEBIS 4」製品ページシリコンスタジオ、すべてが進化したポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 4」の提供を開始 実写レベルの光学エフェクトでリアルタイムCGの映像品質と開発効率を革新 | シリコンスタジオ ニュースリリース

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