次世代ゲームエンジン『Unreal Engine 5』製品版がリリース!State of Unreal 2022配信内で公開された新機能やサンプルプロジェクトを一挙紹介

2022.04.06
ニュースツール紹介アンリアルエンジン
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!
目次

2022年4月6日、Epic GamesState of Unreal 2022 にて Unreal Engine 5(以下、UE5) をリリースすることを発表しました。

本記事では、State of Unreal 2022 と 同放送の同時視聴配信である『The State of Unreal 2022 基調講演を皆で見よう!』をもとに、発表された情報をまとめています。

State of Unreal 2022 の視聴はこちら『The State of Unreal 2022 基調講演を皆で見よう!』の視聴はこちら

本日4月6日よりUnreal Engine 5製品版がリリース

本日2022年4月6日より UE5 の製品版が利用可能になることが発表されました。従来の Unreal Engine 4 と同様に、 Epic Games Launcher からダウンロードが可能です。

UE5は2021年5月にアーリーアクセス版が公開されており、ポリゴンのストリーミングに対応するNaniteや次世代コンソール向けに設計された完全に動的なグローバルイルミネーションおよび反射システムであるLumenが大きな話題となりました。また、2022年2月にはPreview版として安定性と品質の向上および新機能を追加したバージョンを公開し、いよいよ今回の製品版で本格的な開発環境で用いる準備が整った形になります。

The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience

2021年12月10日より PlayStation 5 Xbox Series X/S で無料配信中の UE5 技術デモ『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experienceで使用されている新機能について紹介されました。

  • Nanite

数十億もの三角ポリゴンの処理を可能にする機能です。画面に表示するポリゴンを操作し、近づいたときに鮮明に、遠いときには荒く描画する作業を自動で行います。従来のゲームエンジンでは扱えないような高ポリゴンのオブジェクトも使用可能になります。

  • Lumen

直接光だけでなく間接光を考慮したライティングの計算をリアルタイムで行う機能です。同システムによって、より反射光などの洗練された映像演出が可能になります。

  • プロシージャルなコンテンツ制作

SideFX の提供する Houdini のシステムを使用することでビルを自動生成しています。これによって、小規模チームでの素早いゲーム開発が可能になります。

  • 高クオリティなゲーム開発

フォトリアルなデジタルヒューマンを簡単に作成できるアプリケーション MetaHuman Creator と 3Dスキャンから生成したアセット(asset)のライブラリ Quixel Megascans を利用することで、高クオリティなコンテンツを素早く作成できます。また、UE5 にはQuixel Megascans が標準で搭載されています。以前までは、アセットをインポートする手間が必要でしたが、UE5 内のウィンドウからドラッグ&ドロップでの直感的な操作が可能になりました。

今後、Epic Games 傘下となった ArtStation 及び Sketchfab と連携を取ることで、さらに多くのアセットが利用可能になるとのことです。

Cityサンプル

The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience で使用されているステージを無料でダウンロードできるサンプルプロジェクトの公開が発表されました。ビルや車両、MetaHuman Creator で制作されたキャラクターのアセットをユーザーが自由に操作することができます。

Cityサンプルのダウンロードはこちら

Lyra Starter Game

新しくゲームを制作するための実践的な学習リソースとして役立つように、UE5 の開発と並行して構築されたサンプル ゲームプレイ プロジェクトの公開が発表されました。また、サンプル内で UE5 の機能も紹介されました。

  • Lyra Starter GameにおけるLumen の活用法

実際の開発画面を用いて、どのように Lumen が機能しているかが詳しく紹介されました。

エミッシブマテリアルを使用した作例。

  • ジオメトリスクリプト

プロシージャルメッシュの作成・編集を可能にする機能です。同機能によって、UE5 内でレベルデザインを素早く行うことができます。

階段の段数が少ない状態。

少ない手順で階段の大きさや形、段数を変更可能。

Lyra Starter Game のダウンロードはこちら

RealityScan

年内に早期アクセスが予定されている、無料3Dスキャンアプリ RealityScan も放送内で紹介されていました。

同製品については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

関連記事
『RealityScan』スマートフォンで手軽に3Dスキャン。Epic Gamesの子会社Capturing RealityとQuixelが共同開発
2022.04.05

Epic Developer Community

新しい開発者向けコミュニティサイトの開設が発表されました。ユーザーが UE5 のチュートリアル記事・動画を投稿することができます。

また、投稿されているブループリントをコピーし、そのまま自身のプロジェクトにペーストできる機能が搭載されています。従来は手作業で実装しなければいけませんでしたが、同機能によって素早い開発が可能になりました。

Epic Developer Community はこちら

UE5で制作中のゲーム

「ウィッチャー」シリーズと「トゥームレイダー」シリーズの最新作が、UE5で制作中であることが発表されました。

ウィッチャー」シリーズを開発している CD Projekt S.A. のクリエイターから UE5 を採用した経緯や UE5 の特長が語られました。

以上が State of Unreal で紹介された情報のまとめになります。

明日の2022年4月7日 20:00からは、エピック ゲームズ ジャパン によるライブ配信が予定されています。『State of Unreal での発表情報まとめ・Epic Developer Community の使い方について』として State of Unreal にて発表された物や内容のふりかえりや新たに発表された Epic Developer Community の使い方が紹介されます。興味のある方は、視聴してみてはいかがでしょうか。

関連記事

UE5で揺れ物を「かわいく」揺らすプラグイン「Kawaii Physics」が更新。髪が風になびく複雑な動きもパラメータ設定で手軽に制御
2024.07.25
Unreal Engine向けゲーム制作コンテスト「第22回UE5ぷちコン」開始!テーマは「ゆうえんち」。応募締切は9/8(日)
2024.07.22
Unreal Engine 5.4.3がリリース。Mac向けにパッケージ化する際に起こるエラーの修正や、BaseDeviceProfiles.iniの2024年発売のiPadへの対応など
2024.07.17
50代からゲーム開発を始めた第21回UE5ぷちコン最優秀賞作『ヘコむス』開発者インタビュー。約40年前の「床をヘコませてボールを転がす」アイデアをUEで実現!
2024.07.16
エピック ゲームズ ジャパンによる講演も行われた「第2回 Unreal Engine KYUSHU LT会 in 鹿児島」、アーカイブ動画および一部のスライド資料が公開
2024.07.11
ゲーム開発者必見のカンファレンス10選【GDC・CEDEC・Unreal Fest・U/Dayなど】
2024.07.11

注目記事ランキング

2024.07.20 - 2024.07.27
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

フォグ(Fog)
フォグ 「霧」を意味する英単語。3DCGにおいて、現実の霧による見た目をシミュレーションする画面効果やエフェクトを指す。代表的なものとして、カメラから遠くにあるオブジェクトの色調を変化させることで遠近感を出す手法がある。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!