この記事の3行まとめ
- アーケードゲームを復刻するプロジェクト「アーケードアーカイブス」の関連番組「アーケードアーカイバー」第539回がYouTube Liveで配信された
- 特別編として、アーケードゲーム黎明期の技術やハードウェアを解説
- タイトーの技術顧問 三部 幸治氏が出演し、『スペースインベーダー』などさまざまなアーケードゲームの開発事例が紹介された
ハムスターは2025年5月30日(金)、「ビデオゲーム・パソコン黎明期の技術と組み込み技術」と題した講演を、YouTube Liveにてライブ配信しました。
講演はアーカイブ動画化され、ハムスターの公式YouTubeチャンネルより視聴可能です。
『第539回 アーケードアーカイバー特別編 「ビデオゲーム・パソコン黎明期の技術と組み込み技術」 タイトー技術顧問三部幸治様による特別講演2回目』
2014年にPlayStation 4でスタートした「アーケードアーカイブス」シリーズは、主に1980年代以降のアーケードゲームを家庭用ゲーム機やPC向けに復刻しています。
また、「アーケードアーカイブス」「アケアカNEOGEO」にて配信中のタイトルを紹介する公式番組「アーケードアーカイバー」が、ライブ配信形式で行われています。なお「アーケードアーカイバー」の活動はゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2025」の講演演目として採択されています。
2025年6月5日(木)に配信が開始された『アーケードアーカイブス リッジレーサー』(画像は公式ページより引用)
「特別編」と題して開始された第539回のライブ配信では、配信タイトルではなく、ビデオゲームやPCの黎明期における組み込み技術に関するトピックを解説。
タイトーの技術顧問 三部 幸治氏が、『スペースインベーダー』が開発された1970年代以降のハードウェアや、過去に制作したアーケードゲームの実装例などを紹介しています。
三部氏はアーケードゲームや家庭用ゲームだけではなく、今日でも主流の通信カラオケ機器の考案者でもある(画像はYouTube Liveより切り出して引用)
動画の前半には、1970年代~1980年代初期の主なCPUや、それらを用いて構築された初期のPCが紹介されました。
この時代のコンピューターは、ユーザーによる拡張性が重視されていたとのこと。とくに1977年に発売された「Apple Ⅱ」は、他製品と比べて高額ではあるものの、その拡張性の高さから同世代PCの中でもっとも普及したと述べられています。
また、当時のPCを拡張して実現したものの例として、テレビのクイズ番組で使用されたルーレット、通信カラオケの試作機などが挙げられています。
動画では「Apple Ⅱ」の画像表示ブロックなども丁寧に解説(画像はYouTube Liveより切り出して引用)
動画の後半では『スペースインベーダー』をはじめとした、さまざまなアーケードゲームの開発事例を紹介。
「メモリの処理性能不足によりモニターへの画像の表示が間に合わない」といった映像表示の課題や、アーケードのガンシューティング作品における世代ごとの照準の仕組みの違いなどが解説されています。
メモリ性能による画像表示の問題は、複数(8bit)のデータを一括で入力し、1bitずつ出力する「シフトレジスタ」で対応。講演では実際の回路図も紹介されている(画像はYouTube Liveより切り出して引用)
そのほか、2011年のパンチングマシンから始まるアーケードゲームにおけるAIの応用や、『くらやみ遊園地』などの近年のアーケードゲームの構成についても紹介しています。
なお、タイトーの技術顧問 三部 幸治氏が出演する「特別編」は今回が2回目にあたります。初回は『第458回 アーケードアーカイバー特別編 「テレビゲーム表示技術の変遷」 タイトー技術顧問三部幸治様による特別講演』として公開中、次回は『スペースインベーダー』などが行ってきた模倣ゲームの対策を考えているとのこと。
詳細は、YouTube Liveのアーカイブをご確認ください。
第539回 アーケードアーカイバー特別編 「ビデオゲーム・パソコン黎明期の技術と組み込み技術」 タイトー技術顧問三部幸治様による特別講演2回目 | YouTube