この記事の3行まとめ
- PS5 Proの開発者が本体を分解・解説する記事が、PlayStation.Blogにて公開
- 3本のスリットやファンなどによって冷却性能が向上している
- 初期型PS5で初めて採用された液体金属はPS5 Proでも活用
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2025年4月21日(月)、「PlayStation®5 Proを分解──凝縮された最新技術とこだわりの工夫の数々を開発者が解説」と題した記事を、PlayStation.Blogで公開しました。
『PS5®︎Pro 分解タイムラプス』
記事には、PlayStation 5 Pro(以下、PlayStation 5はPS5と記載)のメカ設計リーダーである土田 真也氏と、電気設計リーダーの廣光 信也氏が登場。それぞれの専門分野から設計におけるこだわりや技術的な背景を説明しています。
まず外観について、PS5 Proは2020年発売の初期型PS5と比較して若干小型化されています。しかし性能は向上しているため、より多くの空気で冷却する必要があります。
左から、初期型PS5、2023年発売の現行型PS5、PS5 Pro(画像はPlayStation.Blogより引用)
そこで、設計チームが「ブレード」と呼ぶ、3本のスリットが設けられました。空気の通り道を大きくしながらデザインと両立を目指し、設計とデザイナーが密に連携して生まれたものです。
(画像はPlayStation.Blogより引用)
冷却システムの要となるファンは、現行型PS5よりも大型化を果たしています。羽根の形状が最適化され、羽根の間にはさらに小さな羽根が追加。これが、「静かに」多くの空気を出すための設計とされています。
(画像はPlayStation.Blogより引用)
キャビネット(内部カバー)の内側にある金属製シールドは、メイン基板から発生する電磁ノイズが他の電子機器に干渉するのを防ぐため、多数のネジでメイン基板に固定されています。シールドとその固定方法によって、ノイズ低減を実現しています。
(画像はPlayStation.Blogより引用)
メイン基板は現行型PS5と比較して大型化。SoCの性能を最大限に引き出すため、電源供給ラインが現行型PS5より強化されているうえ、基板の層数も増えています。
また、初期型PS5で初めてTIM(熱伝導素材)として採用された液体金属は、高い冷却性能からPS5 Proにも継承されています。PS5 Proでは、液体金属が塗布される部分に細かい溝を追加するなどの改良が加えられ、より安定した冷却効果が発揮されます。
(画像はPlayStation.Blogより引用)
冷却性能向上のため、ヒートパイプの本数も増加しています。SoCに接するヒートパイプから熱が伝わるフィンは2つのブロックに分かれ、配置バランスが冷却能力に大きく影響するため、最適な構造が追求されました。
ヒートシンクの素材は、冷却効果を高めるアルミと、強度を保つ鉄が使い分けられている(画像はPlayStation.Blogより引用)
記事ではそのほかにも、SoC周りの詳細、Wi-Fi 7の採用理由なども語られています。詳しくは、PlayStation.Blogをご確認ください。
「PlayStation®5 Proを分解──凝縮された最新技術とこだわりの工夫の数々を開発者が解説」PlayStation.Blog