「CEDEC 2024」で2024年8月22日(木)に「CEDEC AWARDS 2024 発表授賞式」が開催されました。本記事では、各部門のノミネート作品および最優秀賞受賞者を紹介します。

【CEDEC AWARDS 2024 フォトレポート】「桃太郎電鉄」シリーズを手掛けたさくまあきら氏が特別賞を受賞。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』ほか4部門の最優秀賞も発表
目次
「CEDEC AWARDS」概要
「CEDEC AWARDS」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術およびその開発者の功績を称え表彰するものです。「エンジニアリング部門」「ゲームデザイン部門」「サウンド部門」「ビジュアルアーツ部門」「特別賞(ゲーム開発の発展への貢献全般)」の5部門について、CEDEC受講者投票および講演者の投票、CEDEC運営委員会の討議を踏まえて最優秀賞を決定しています。
CEDEC AWARDSについて特別賞は「桃太郎電鉄」シリーズを手掛けたさくまあきら氏が受賞
授賞式冒頭、CEDEC AWARDS 特別賞として、国民的人気を誇る「桃太郎電鉄」シリーズを手掛けたさくまあきら氏が登壇しました。 30 年以上にわたって多くのプレイヤーの支持を得て、ゲームの枠を超えた活用や全世界への広がりなどの新たな可能性を示した点が大きく評価されており、同氏の受賞コメントでは桝田省治氏への感謝も述べられました。
CEDEC AWARDS 特別賞エンジニアリング部門 ノミネート一覧
- パフォーマンスチューニングにおけるノウハウを体系的にまとめた社内向け書籍の公開
パフォーマンスチューニングバイブル執筆チーム(株式会社サイバーエージェント)
- アニメーション処理の先端技術の研究発表および知見の普及への貢献
向井 智彦氏(東京都立大学)
- AIによるコーディング支援でのエンジニアの生産性向上に寄与
GitHub Copilot 開発チーム(GitHub)
- 業務用専用ハードであるModel2/Model3のタイトルの復刻と製品化への貢献
龍が如くスタジオ・アーケードゲーム復刻チーム 飯澤 仁志氏(株式会社 セガ)
- 高機能なIDEの提供によるゲーム開発への貢献
JetBrains Rider開発チーム(JetBrains)
パフォーマンスチューニングバイブル執筆チーム(株式会社サイバーエージェント)
向井 智彦氏(東京都立大学)
GitHub Copilot 開発チーム(GitHub)
龍が如くスタジオ・アーケードゲーム復刻チーム 飯澤 仁志氏(株式会社 セガ)
JetBrains Rider開発チーム(JetBrains)
エンジニアリング部門 最優秀賞は『GitHub Copilot 開発チーム』
受賞理由は、AIによるコーディングのサポートによってクリエイターが複雑なロジックに専念でき、さらに生成されるコードの品質が良いこと。受賞した開発チームは「ユーザーの開発環境を良くするためにはどうするかを毎日考えています」とコメントし、積極的に機能要望を伝えてほしいと述べました。
GitHub Copilotビジュアルアーツ部門 ノミネート一覧
- どこでも手軽に、3Dでフルボディトラッキングできる、モーションキャプチャー技術
『mocopi®』開発チーム(ソニー株式会社)
- 「違和感」を引き出す表現技術
『8番出口』開発 KOTAKE CREATE氏(KOTAKE CREATE)
- ノスタルジックな世界観を見事に表現したビジュアルワーク
『クレヨンしんちゃん炭の町のシロ』開発チーム(ネオス株式会社)
- 原作ファンを納得させる3D化技術とUIデザイン
『グランブルーファンタジー リリンク』開発チーム(株式会社Cygames)
- ストップモーションアニメーションが生み出す癒しのビジュアル表現
『ポケモンコンシェルジュ』制作チーム(株式会社FIELD MANAGEMENT EXPAND ドワーフ事業部 ドワーフスタジオ)
『mocopi®』開発チーム(ソニー株式会社)
『8番出口』開発 KOTAKE CREATE氏(KOTAKE CREATE)
『クレヨンしんちゃん炭の町のシロ』開発チーム(ネオス株式会社)
『グランブルーファンタジー リリンク』開発チーム(株式会社Cygames)
『ポケモンコンシェルジュ』制作チーム(株式会社FIELD MANAGEMENT EXPAND ドワーフ事業部 ドワーフスタジオ)
最優秀賞は『グランブルーファンタジー リリンク 開発チーム』
受賞理由は「原作の魅力を他のプラットフォームで見事に表現し、新たな魅力を創出した点」。特に2Dイラストとして描かれていた原作キャラクターの3Dモデル化における作り込みや、違和感なく没入できるUIなど、ユーザー体験への配慮を随所に感じた部分が評価されました。
『グランブルーファンタジー リリンク』公式サイトゲームデザイン部門 ノミネート一覧
- クリエイティブに創意工夫して攻略できる自由度を許容するゲームデザイン
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』開発チーム(任天堂株式会社)
- プレイヤーの欲求にあらゆる面で応えてくれる原点的なRPG体験
『Baldur’s Gate 3』開発チーム(Larian Studios)
- ステージごとに新しい遊びを用意し、最後までワクワクを途切れさせない ゲーム体験を提供するその開発意志力
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』開発チーム(任天堂株式会社)
- リズムアクションとスラッシュアクションを融合させた高水準なバトルデザイン
『Hi-Fi RUSH』開発チーム(Tango Gameworks)
- シンプルで分かりやすいゲームデザインと、誰もが馴染みのある風景をゲームに落とし込み 多くの人に刺さるインパクトを産み出したその発想力
『8番出口』開発 KOTAKE CREATE氏(KOTAKE CREATE)
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』開発チーム(任天堂株式会社)
『Baldur’s Gate 3』開発チーム(Larian Studios)
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』開発チーム(任天堂株式会社)
『Hi-Fi RUSH』開発チーム(Tango Gameworks)
『8番出口』開発 KOTAKE CREATE氏(KOTAKE CREATE)
最優秀賞は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム 開発チーム』
受賞理由は「上空・地上・地底と縦に広がった遊びと、ウルトラハンドなどによる創造的な遊びが掛け算として絶妙に絡み合い、ひとつの体験として昇華された点」。
ゲームデザインは常にプレイヤーに応えるだけでなく、期待を超えた驚きと感動を届けることが求められていますが、その中でも本作は「続編」という大きな期待に対して見事に応えたことも評価されました。
サウンド部門 ノミネート一覧
- サウンドアクセシビリティ機能と、自動実況機能による、より幅広い層へ格闘ゲームファンを広げる表現の手法と技術
『ストリートファイター6』サウンド開発チーム(株式会社カプコン)
- 音の魅力が詰め込まれた多彩で緻密な演出
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』開発チーム(任天堂株式会社)
- イマーシブオーディオの普及に貢献
Dolby Atmos / Dolby Atmos Music(Dolby Laboratories Inc.)
- 大量のサウンドの同時発音制御をし、UXを最大限に引き上げるインタラクティブミックス
『Marvel’s Spider-Man 2』オーディオチーム(Sony Intaractive Entertainment / Insomniac Games)
- ゲームプレイとサウンドデザインを完全に融合させた、言語に頼らない表情豊かなサウンド演出と表現
『COCOON』サウンド開発チーム(Annapurna Interactive / GEOMETRIC INTERACTIVE)
『ストリートファイター6』サウンド開発チーム(株式会社カプコン)
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』開発チーム(任天堂株式会社)
Dolby Atmos / Dolby Atmos Music(Dolby Laboratories Inc.)
『Marvel’s Spider-Man 2』オーディオチーム(Sony Intaractive Entertainment / Insomniac Games)
『COCOON』サウンド開発チーム(Annapurna Interactive / GEOMETRIC INTERACTIVE)
最優秀賞は『ストリートファイター6 サウンド開発チーム』
受賞理由は「爽快感と判別性を両立する素晴らしいアクション効果音と、多くのユーザーを惹きつけた自動実況機能」、そして「サウンドアクセシビリティにおいて先進的な取り組みがある点」。
視覚障がいを持つ格闘ゲームファンに向けたアクセシビリティでは、視覚情報がなくともゲームや競技性を楽しめる仕様を、多くのヒアリングをもとに実現した部分が評価されました。
なお、授賞式当日の様子はCEDECの公式YouTubeチャンネルでもアーカイブされています。
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