Riot Games、『League of Legends』の「NEXUS BLITZ」復活にあたって施した、UIの再設計に関する解説記事を公開

2023.12.07
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この記事の3行まとめ

  • 『League of Legends』のゲームモード「NEXUS BLITZ」の復活の裏側を語った記事が公開
  • ゲームモードを復活させるために行われた、UIの再構築について紹介される
  • 「NEXUS BLITZ」のゲームデザインの改善などについても解説

Riot Gamesは2023年11月28日(現地時間)、『REVIVING NEXUS BLITZ』と題する記事を公開しました。

(画像は公式ブログより引用)

「NEXUS BLITZ」とは、MOBAゲーム『League of Legends』内のゲームモードの一つです。2021年に遊べなくなっていましたが、2023年10月に配信されたパッチで復活しました。

同記事では、「NEXUS BLITZ」を復活させるにあたって行ったUIの再構築や、ゲームデザインの改善について紹介されています。

UIの再構築

「NEXUS BLITZ」は、『League of Legends』の「Summoner’s Rift」で使われているUIに加え、5つのUIが使われています。

しかし、ゲームエンジンのアップデートでUIの実装方法が全面的に見直されることになり、その時点で使われていなかった「NEXUS BLITZ」のUIは削除。そのため、今の実装方法でUIを再現することになりました。

最初に「NEXUS BLITZ」が実装されたとき、『League of Legends』のUIのコードは、ハードコードされたゲームデータのファイルパスに依存していたため、参照先の場所が変わるたびにコンパイルが必要でした。

この問題は2022年初頭に行われたゲームエンジンのアップデートで、ハードコードされていたものを廃止し、ゲームデータ内のオブジェクトのリンクを採用することで改善されました。

変更前(左)と変更後(右)のコード(一部)(画像は公式ブログより引用)

また、UIを作成する際に厳密なルールが設定されておらず、開発者によって異なる方法で実装される可能性がありました。

現在はMVC(※)によく似た設計に見直され、ゲームロジックとUIのロジックが分離されています。
※ アプリケーションの役割をModel(モデル)/View(ビュー)/Controller(コントローラー)に分類し、役割ごとにクラスを分離するアーキテクチャ。ゲームロジックがUIなどのViewに依存しない設計が可能

一方で、リリース時期の都合からコーディング規約を破る決断も必要だったそうです。一部の実装では、ゲームプレイのロジックがクライアント上のUIにパケットを直接送信する、MVCの原則に反する設計となっているとのこと。

ゲームデザインの改善

過去の「NEXUS BLITZ」を遊んでいたプレイヤーが共通して感じていた不満が、イベントの出現位置が不公平に感じることでした。ここでいうイベントとは、特定の時間になるとランダムな場所に発生し、特定の条件を先に満たしたチームに有利な効果が付与されるといったものを指します。

不満の原因は、マップの中心ではなく、広い中立ゾーンからランダムで出現位置が選ばれていたためです。イベントが出現する位置をマップの中心に固定することで、プレイヤーの不満の主な要因となっていたランダム性を削減したといいます。

(画像は公式ブログより引用)

そのほかにも、「NEXUS BLITZ」の復活に向けた調整が行われています。詳細は、公式ブログをご確認ください。

『REVIVING NEXUS BLITZ』Riot Games公式サイト

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