「MaxQ Spaceflight Toolkit」がリリース。実際の宇宙ミッションで用いられるのと同じ観測データ、アルゴリズムをUE5で利用可能に

「MaxQ Spaceflight Toolkit」がリリース。実際の宇宙ミッションで用いられるのと同じ観測データ、アルゴリズムをUE5で利用可能に

2022.06.13
ニュースアンリアルエンジン
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • NASA開発のSPICE Toolkitを基にしたUE5向けコードプラグイン「MaxQ Spaceflight Toolkit」が公開
  • 実際の宇宙飛行ミッションと同じ観測データやアルゴリズムを無料で利用可能に
  • サンプルマップやスペースデブリを可視化するサンプルプロジェクトも提供される

2022年6月10日、「MaxQ Spaceflight Toolkit」がUEマーケットプレイスでリリースされました。

MaxQ Spaceflight Toolkit」は、実際の宇宙飛行ミッションなどに用いられる観測データや軌道計算などの数学アルゴリズムをUE5上で利用できるようにする、無料のコードプラグインです。

NASAジェット推進研究所(JPL)が運用、開発、提供しているSPICE Toolkitがもととなっており、観測データもJPLからNavigation and Ancillary Information Facility(NAIF)Solar System Dynamics(SSD)を通じて提供されています。

このプラグインはC++ブループリントのそれぞれに、同じ機能を持った計算用のAPIを提供しています。

ブループリントでもC++でも、機能的に全く同じAPIを利用することができる

プラグイン内に内蔵されたサンプルマップやオンラインドキュメントなどから、これらのAPIの使い方を学ぶことが可能です。

サンプルマップの1つ「Positioning」。太陽系の惑星の動きをシミュレートしている

地球軌道上に散らばるスペースデブリ(※)のリアルタイムデータを可視化するサンプルプロジェクトも公開されています。

※宇宙ごみとも呼ばれる、軌道上にある不要になった人工物のこと。廃棄された人工衛星やロケット、またはその破片、部品などが含まれる

開発元であるGamergenicは、宇宙飛行の本格的な可視化や宇宙を舞台とする最先端のゲームを、このプラグインを使うことでプログラミングや宇宙工学を学ばずとも簡単に構築できるようになると述べています。

さらにこのプラグインは、宇宙飛行における難問をリアルタイムで視覚化することで解決し、そして新たな可能性をもたらすとも語っています。

「MaxQ Spaceflight Toolkit」マーケットプレイスページ「MaxQ Spaceflight Toolkit」公式ドキュメントサンプルプロジェクト「ASATDebrisVisualization」リポジトリページ

関連記事

UE公式サンプル『Stack O Bot』がアップデート。StateTreeによるNPC制御や、PCGを用いたレベル生成などの要素が追加
2025.08.21
ゲームにDiscord機能を組み込める公式SDK「Discord Social SDK」、ボイスチャットなどの一般提供を開始。商用利用も可能
2025.08.21
Unreal Engine 5.6.1がリリース。「MetaHuman Creator」の動作改善や、「Arena Shooter」Variantsのバグ修正など
2025.08.20
11/14(金)・15日(土)開催のUE公式無料イベント「Unreal Fest Tokyo 2025」、参加登録の受付開始。先着2,700名まで
2025.08.20
SideFX、HoudiniとUE5を利用した技術デモ「Project Elderwood」のプロジェクトファイルを公開。ランドスケープ、岩、遺跡など、環境内のほぼすべての要素にHoudiniを使用
2025.08.15
ポーランドのゲーム開発者向けカンファレンス「Game Industry Conference 2024」、公式YouTubeチャンネルで講演動画が順次公開中
2025.08.07

注目記事ランキング

2025.08.25 - 2025.09.01
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
ヘッドマウントディスプレイ Head Mounted Displayの略称。頭部に装着するディスプレイ装置の総称で、ゴーグルやメガネを模した形状が多い。Meta QuestやHTC Vive、PlayStaion VRなどの没入型と、HoloLensやMagic Leapなどのシースルー型に大別される。左右の目に対してわずかに異なる映像を描画することで、視差効果を利用した立体的な表現を可能にする。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!