この記事の3行まとめ
- Blender Studio、無料の探索ゲーム『DOGWALK』をSteamでリリース
- BlenderとGodotの連携ワークフローの構築について解説したブログ記事も公開されている
- Steamでは、資料などを含んだ有料のDLCも提供
Blender Studioは2025年7月12日(日本時間)、探索ゲーム『DOGWALK』をSteamで無料公開しました。
『DOGWALK – Trailer』
『DOGWALK』は、大型犬を操作して少年をあちこち引っ張り回しながら、必要なアイテムを探すゲーム。
(画像はSteamストアページより引用)
同作は「Project DogWalk」として、Blender Studioが2025年1月から進めていたゲーム制作プロジェクトでもあります。
アセット・レベルをBlender内で作成するワークフローの確立、それらをGodot Engine(以下、Godot)に出力するパイプラインの構築を目的としており、これまで公式ブログで開発に関する記事が複数公開されてきました。
公式ブログでは、BlenderをDCC、Godotをゲームエンジンとして使用したパイプラインの構築に焦点を当てた記事も公開されています。
(画像は公式サイトより引用)
同記事では、映像制作スタジオであるBlender Studioとしての強みを生かし、アセットの作成、シーン構築、アニメーション、コリジョンなど基本的なゲーム固有の設定までBlender内で完結する、Blender中心のワークフローを紹介しています。
Godotの役割は、主にゲームロジックの実装と、Blenderで作成されたアセットがゲーム内で想定通りに表示・動作するかの確認に用いられました。
データ交換のフォーマットとしては、glTFを採用。理由は、BlenderとGodotの両方でマテリアル、アニメーションなどが標準でサポートされていること、拡張性が高い点などが挙げられます。
ワークフローの核となるのが、独自開発の自動化システムです。Blenderのコレクション機能を核として、1つの.blendファイルから複数のアセットを個別に、かつ一括でエクスポートできます。
(画像は公式サイトより引用)
このシステムは、Blender拡張機能とGodotプラグインから構成されています。Blender拡張機能はアセットのエクスポート設定と実行を管理し、必要な情報を提供します。一方、Godotプラグインは、インポート時に提供されたデータを用いてアセットを正しく再構築し、必要なゲームデータを生成する役割を担います。
ただし、本システムはプロトタイプであり、マージ競合を頻繁に引き起こす、アセット複製時のID重複といった課題も残されています。
記事内では、改善案や現状のリポジトリファイルなども公開しています。
なお、Steamで公開された『DOGWALK』には、有料のDLC『DOGWALK – Supporter Pack』も用意。ゲーム制作の舞台裏がわかる資料やアートワーク、ソースなどが含まれています。
(画像はSteamストアページより引用)
本記事の詳細は、SteamストアページやBlender Studioのブログ記事をご確認ください。
『DOGWALK』SteamストアページOur Workflow with Blender and Godot