この記事の3行まとめ
- Blender Studio、「Project DogWalk」に関する2つの記事を自社ブログで公開
- BlenderとGodot Engineを使用したゲーム制作プロジェクト
- レベル構築やアニメーション制作のワークフローや課題などについて語られている
Blender Studioは、ゲーム制作プロジェクト『Project DogWalk』に関する開発環境やノウハウを、複数の記事に分けて紹介しています。
このたび、レベル構築のワークフローとキャラクターのアニメーションを解説した2つの記事が、自社ブログで公開されました。
(画像は公式サイトより引用)
『Project DogWalk』は、BlenderおよびGodot Engine(以下、Godot)を利用して制作されている、Blender Studioによるゲーム制作プロジェクトです。
(画像は公式サイトより引用)
効率的なパイプライン作成や、レベルアセットの柔軟性を向上する「セットレイヤー」を活用したレベル構築
『DevLog: Assembling the world』と題した記事では、レベルの編集ワークフローを紹介。
プロジェクトにおける目標のひとつとして、レベルを可能な限りBlender内で構築し、階層構造を保ったままGodotへ移行することが掲げられていました。
そのため、Godot上で.blendファイルを扱う際に使用されるGLTFエクスポーターに、階層構造を復元させる独自の処理を追加するカスタムツールが開発されました。
カスタムツールにより、Blenderのアセットが階層構造を維持したままGodotにインポートできるようになった(動画はブログ記事より引用)
同記事では、Godotにインポートされたアセットに設定されるコリジョンに関する課題への対処法や、小川・池・小道などの表現とUV生成、レベル上に広がる雪の形状を調整するための実装などについても紹介しています。
パスに沿って生成された小川のメッシュとUV(画像はブログ記事より引用)
DogWalkのアニメーション
『Animating for DogWalk』と題した記事では、本作に登場する犬のChocomelと、人間のPindaの2体のキャラクターに必要なアニメーションの制作プロセスを解説しています。
本作のアニメーションは「数フレームの間ポーズを保つ→次のポーズに移る」を繰り返すことでストップモーションのような表現を実現しています。この方法には、あるアニメーションから別のアニメーションを再生する際に行われるブレンド処理をあまり考慮しなくてよい利点もあります。
アルファ版で実装されているゲーム内アニメーション(動画はブログ記事より引用)
アニメーションは、アニメーターがBlenderで作成。完成したアニメーションはGTLF形式でエクスポートされ、Godotにインポートされます。
本作のアニメーションワークフロー(画像はブログ記事より引用)
また、BlenderのNLA(非線形アニメーション)エディタをプレビューツールとして利用。これにより、GLTF形式のエクスポートを開始する前に、アニメーター側で潜在的な問題を特定して解決できたとのこと。
BlenderのNLAエディタでアニメーションの組み合わせをプレビューしている様子(動画はブログ記事より引用)
そのほか、記事では「複数のアニメーション手法に対応するために追加のボーンが必要になる」「シネマティックシーンとプレイヤーが操作するシーンのシームレスな移行」などの技術的課題についても語られています。
Animating for DogWalk詳細は、『Project DogWalk』の公式サイトをご確認ください。
『Project DogWalk』公式サイト