2024年7月19日(金)から21日(日)の3日間、京都みやこめっせで開催された『BitSummit Drift』。展示されたブースの中から、今回はアクティブゲーミングメディアのゲームに特化した、新たなグローバルPRブランド「Graph」を紹介します。
TEXT / 酒井理恵
アクティブゲーミングメディアが擁するインディゲームのパブリッシャー「PLAYISM」。これまで『グノーシア』や『カニノケンカ -Fight Crab-』などのパブリッシングを行ってきました。そんな同社から、2024年7月12日にゲーム特化のグローバルPRブランド「Graph」が設立されました。
パブリッシャーである「PLAYISM」とグローバルPRブランド「Graph」は、何が違うのか、また、「Graph」が目指すものは何か、同社のクライアントサクセス部 澤 慎二氏に伺いました。
「パブリッシャーのついていない面白いゲーム」で、気軽に遊べる時代を目指して
――アクティブゲーミングメディアはパブリッシャーブランド「PLAYISM」を既にお持ちです。グローバルPRブランド「Graph」を立ち上げた狙いはどこにあるのでしょうか。
実は、パブリッシャーと契約できなかったゲームというのが世界には数多くあります。こうしたゲームはどうしてもメディア露出の機会が減る傾向にあり、日本国内で人気が出る可能性があったとしても、知名度が全くないことも多いです。
そうしたゲームを海外のゲームであるからといって敬遠することなく、気軽に、当たり前のように遊べる世界になってほしい、と思って立ち上げたのが「Graph」です。
――そうすると、「Graph」は基本的に海外から国内に向けてのPRを扱う、ということになりますでしょうか。
そうですね。ただし、私たちも翻訳会社として長年やっているため、国内から海外に向けて発信したいという相談は多くいただいています。こちらの対応も少しずつ進めているところではあります。
――面白いゲームがパブリッシャーと契約することは、双方にとってメリットがあるようにも思えます。契約が叶わないケースには、どのようなものがあるのでしょうか。
パブリッシャーであれば世界中どこの国でも対応できる、というわけではありません。どうしても、得手・不得手な国が出てきてしまいます。そうすると、日本語化対応もできているのに日本国内に流通する力を持つパブリッシャーが見つからなかったというケースも出てきてしまうんですね。
また、パブリッシャーが使える予算は無限ではありませんから、より優先すべき対応を行った結果、その国でパブリッシングする予算がつかなかった、ということもあります。
――日本語化対応しているけれど国内流通がないゲームのPRを扱う、ということですが、逆に、日本語化対応していないけれど日本で売れそうなゲームのローカライズを扱うことはあるのでしょうか。
昔はそういうこともありましたが、最近は日本国内で売るつもりがあればローカライズ対応は初めからしているタイトルが増えてきましたね。
パブリッシャーとPR、使い分けのポイント
――パブリッシャーの「PLAYISM」とグローバルPRの「Graph」の違いはなんですか。
パブリッシャーの場合、開発者の支援に重きが置かれます。開発中に開発者と並走し続けるのがパブリッシャーですね。
開発が完了してまさしくPR部分だけのサポートがほしいというタイミング、あるいはそうした意向の開発者によるゲームの場合は、「Graph」が適していると思います。
ネットを使えば、自分一人でも世界に対して販売することが可能になっている今、インディー開発者の方の「売り方」というのも多様化していると感じます。そうした流れのなかで、「売り方」の選択肢を増やすべく生まれたのが「Graph」になります。
例えば、「Graph」ではPR予算に応じた対応が可能です。また、パブリッシャーをつけたくない開発者さんに対し、グローバル市場でのPRの部分だけお手伝いするということもできます。
――最後に「Graph」ならではの強みを教えてください。
「Graph」は、多国籍かつ多文化のチームです。各プロジェクトは日本だけでなく、他国の視点も取り入れて進めています。多様なバックグラウンドを持つメンバーが協力し合うことで、幅広い視野とアイデアを取り入れています。また、基本的には何語でお問い合わせをいただいてもその国の言葉で返信が可能です。英語・中国語(簡体字、繁体字)・韓国語はもちろん、アラビア語でも対応できます。
その国の文化圏に合ったPR方法をご提案します。
アクティブゲーミングメディア「Graph」紹介ページBitSummit Drift 公式サイトゲームメーカーズ編集。その他、ソーシャルゲーム、ボイスドラマ等のフリーのシナリオライターとしても活動中。突き抜けた世界観のゲームが好き。
『サガ・フロンティア』のアセルス編などのゲームを心のバイブルにして生きてます。
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