反動を味方につけろ!ハイスピードでテクニカルなドット絵2Dアクション『モミボス』プレイレポート【TGS2023】

2023.09.21
注目記事イベントレポート東京ゲームショウ2023
この記事をシェア!
twitter facebook line B!
twitter facebook line B!

2023年9月21日(木)から24日(日)の4日間、幕張メッセで開催されている『東京ゲームショウ 2023』。展示されたゲームの中から、今回は「GCM」が開発する2Dアクションゲーム『モミボス』を紹介するとともに、同作品の開発者・Peng氏に、開発の経緯や工夫点をお聞きしました。

TEXT /セレナーデ☆ゆうき

目次

既存の2Dアクションに、「反動」という新たな工夫を

ドット絵のキャラクターが立つ、かわいいブース

『モミボス』は、テンポが早くテクニカルな操作を重視した1人用2Dアクションゲームです。Steamで販売が予定されており、現在は販売ページでウィッシュリストへの追加を受け付けています。

制作者本人が「『Celeste(※)』からインスパイアされた」と公言しているこのゲームは、ダッシュやジャンプなどを駆使してステージを進んでいく王道の2Dアクションですが、最大の特徴は「敵キャラクターに攻撃をすると、その反動で押し戻される」というシステム。

カナダのインディーゲームスタジオ「Matt Makes Games」により開発されたドット絵2Dアクションゲーム。名作と名高い

これにより、攻撃の反動でプレイキャラクターがどのような角度で跳ね返るのかを予測しながら攻略する楽しさが味わえます。これは『モミボス』というゲームの根幹コンセプトであり、いたるところで使うシステムとなります。

縦横無尽に『モミボス』の世界を駆け巡るためには、この反動をいかに使いこなすかが鍵となります。

ゲーム画面は、古き良きドット絵

今回の東京ゲームショウでは、最初のボス(※)を倒すまでの序盤1ステージを試遊することができました。主人公の少年は、手に光の玉のような力をまとい、非常に強力なパンチを繰り出すことができます。

※試遊用に道中のボスがカットされているため、厳密には最初のボスではないらしい

また、空中でも使用可能な一定時間のダッシュがあり、この慣性を利用して横方向に遠くまでジャンプできたりも可能となります。

このゲームは、反動が非常に重要な要素となっています。道中には何度パンチしても倒れない大きなモグラの敵キャラクターなどがおり、当たると一発でミスとなってしまうトゲのある床などを、このモグラに下向きのパンチをすることでトランポリンのように移動することができます。

このように、下向きにパンチを当てることで、反動で上向きに跳んだりといった角度の読みが大事で、精密な操作で理想の操作を追い求める楽しさがあります。

今回の場面では、主人公に追従する少女キャラクターがいました。彼女は、この試遊においてはいわゆる狂言回しのような立ち位置で、今作のストーリーのいくつかを話したりしてくれました。この少女は、正式リリースの際にはまた別の役割も与えられることがあるとか。

頂いたスクリーンショット。画像は英語だが、日本語の設定もある

ボス戦では、両手に大きなナタのような大剣を1本ずつ携えた大男が登場。

光の玉をまとったパンチでスタミナを大きく削り、更にダッシュパンチで空中に打ち上げて大ダメージを与えるという戦法で倒すことができました。テクニカルではあるものの非常に爽快感があり、相手の攻撃の一瞬の隙を狙う、白熱した戦いを楽しめました。

筆者のプレイ時には、制作者の方も初めて見たという連撃ダメージがボスに入り、その後「システム上は確かにそうなるのは必然である」と分かったものの、効率的にボスを倒す戦略を新たに生み出せるかもしれない面白さもありました。

相手の攻撃に合わせてパンチを当てると演出が入り、気持ちよさとゲーム的な有利がある

消防士からシステム開発者へ。経歴やゲームの工夫を制作者に聞きました

ブースには開発者のPeng氏がおり、様々なお話を聞くことができました。

開発者・Peng氏。名前の由来はペンギンからで、読み方は「ペング」ではなく「ペン」だそう

本作を開発したのは、個人サークル「GCM」のPeng氏。10年以上前に消防士として働いていたものの、人間関係などの悩みから転職。その後はシステム開発として仕事をする傍ら、本作は完全な趣味として制作しているそうです。

現在はUnityで本作の開発をしており、今後もUnityで開発していくとのこと。開発人数は、なんと1人。

音楽こそフリー音源を使用しているものの、キャラクターデザインやレベルデザイン、プログラミングなどをすべて自分だけで作っているそうです。

ドット絵で描かれたユニークなキャラクターたち

ゲームの工夫としては、「既存の2Dアクションゲームに、ひとつ複雑な状況を乗せたい」という思いがあるそうです。それは反動であったりとか、ゲーム内の移動通路などにブロックの壁など様々なギミックを置くことで実装しているとのこと。

Peng氏は「こういったゲームには暇な時間がどうしてもできてしまう」と語りました。例えば、真っ直ぐな通路を歩いているだけの時間や、高くジャンプしてから着地するまでの間などのスキマにも操作の余地があれば飽きません。また、Peng氏いわく「あまり一般向けではないかもしれない」というこちらのゲームですが、難易度はかなり高めに設定されているそうで、試遊などでも用意した一定の範囲をクリアできない人もいたとか。

それでも、初心者向けのチュートリアルなどを充実させつつ、ベテランプレイヤーでも頭を捻る必要があるようなギミックを用意することで、初心者からベテランまでたくさんの人が楽しめるようにとの思いが込められています。

このゲームを開発するきっかけは「暇つぶし」に近いとのこと。システム開発の仕事を始めた際、休日でも掛かってくる電話に対応するため、家から出られなくなってしまったPeng氏。待ち時間に手を出したのが趣味としてのゲーム制作で、「ある意味、この待たなくてはいけない時間がなければ、このゲームはできなかった」と語っている

ゲームのスタートからクリアまでなど、特定の範囲をどれくらい早く行うことができるかの「タイムアタック」というやりこみプレイ。スピードランともいわれるこちらですが、制作者・Peng氏はこれが非常にお好きだそう。ゲーム内にも効率的に進むための様々なギミックが用意されており、操作チュートリアルは飛ばしても進めるようになっているなどの工夫が見られました。

ライターの傍ら、スピードランなどのゲーム配信を行っている筆者ですが、このゲームは通常プレイだけではなく、その先のやりこみプレイ、スピードランなどにも期待が持てる作品ではないかと思っています。

公式サイト https://www.momibosu.com/
販売サイト(ストアページ) https://store.steampowered.com/app/2487340/_/
リリース時期 来年予定(本人いわく、再来年になるかも?とのこと)
『モミボス』公式サイト東京ゲームショウ2023公式サイト
セレナーデ☆ゆうき

ゲームのタイムアタックを中心に、ストリーミングサイト・Twitchで活動をしているストリーマー。ゲームイベントの紹介記事など、WEBメディアでの活動実績もあるが、繰り出されるダジャレのクオリティには賛否両論がある。

https://www.twitch.tv/serenade_yuuki

関連記事

8年越しに完結するビジュアルノベル『世界滅亡共有幻想マミヤ』。コミケで出会ったパブリッシャーと二人三脚でリリースを目指す【TGS2023】
2023.10.06
実はFlashで作ってます。制作期間11年探索型・科学ADV『NONUPLE NINE: ASYMPTOTE』【TGS2023】
2023.10.04
推理を面白くする鍵は「70:30」。ヒントもログも一切なしの本格捜査『Scene Investigators』メイキング【TGS2023】
2023.09.29
昭和アニメとPC-9800シリーズへの愛が詰まったADV『機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語』はイギリス産。開発者に制作秘話を聞いてきた【TGS2023】
2023.09.29
錬金術師シミュレーター『Alchemist: The Potion Monger』開発元のCEOにインタビュー。4回以上直したポーションづくりの変遷を聞く【TGS2023】
2023.09.28
学生の工夫とアイデアが幕張メッセに集結! ゲームアカデミーコーナーから3作品をピックアップ【TGS2023】
2023.09.26

注目記事ランキング

2024.04.14 - 2024.04.21
1
【2022年5月版】今から始めるフォートナイトの「クリエイティブ」モードープレイ開始から基本的な操作方法まで解説
2
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧
3
『フォートナイト』で動く本格的なゲームが作れるツール「UEFN」とは?従来のクリエイティブモードから進化したポイントを一挙紹介!
4
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.1「アイテム系」
5
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.5「島の設定」
6
【CHALLENGE1】「クリエイター ポータル」を使って、UEFNで作成した島を世界中に公開する
7
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.2「ユーティリティ系」
8
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part1
9
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.6「チーム・対戦系」Part1
10
フォートナイトとUEFNがv29.20にアップデート。見下ろし視点でもプレイヤーキャラクターの向きを操作できるようになった
11
【CHALLENGE3】UEFNの機能「ランドスケープ」を使ってオリジナルの地形を作る
12
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.4「ゲームシステム系」
13
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part2
14
UEFNで使えるプログラミング言語「Verse」のノウハウが集結。『UEFN.Tokyo 勉強会 03 Verse Night』レポート
15
フルカラー書籍「UEFN(Unreal Editor For Fortnite)でゲームづくりを始めよう!」、ついに本日発売!全国書店で好評発売中!
16
『フォートナイト』で建築ビジュアライゼーション!?UEFNでオリジナルの世界観をどう作り上げたか、その手法を解説【UNREAL FEST 2023 TOKYO】
17
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part1
18
【STEP2】UEFNの基本的な使い方を覚えよう
19
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.3「プレイヤー系」
20
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part1
21
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part2
22
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.8「ゾーン系」
23
【CHALLENGE2-1】フレンドと一緒にゲームを作ろう――UEFNプロジェクトをチームメンバーとリアルタイムで共同編集する
24
GDC 2024で行われた「State of Unreal」UEFN関連の発表内容まとめ。UEFNがMetaHumanを正式サポート
25
まるで『マイクラ』?ボクセル地形を生み出す無料アセット「VoxelPlugin Free」で”地形を掘ったり積み重ねたり”して遊んでみよう
26
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part2
27
【STEP1】「UEFN」を入手しよう
28
フォートナイトとUEFNがv29.00にアップデート。Verse上でセーブデータが定義可能になったほか、ポストプロセスを制御する仕掛けが登場
29
【STEP4-2】リスポーンとチェックポイントの仕組みを作る
30
「UEFN」って実際どうなの? 編集部が3時間で「みんなで遊べるアクションゲーム(?)」を作ってみた
VIEW MORE

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

フォワードシェーディング(Forward Shading)
フォワードシェーディング オブジェクト毎にライティングの計算を行い、その計算結果を描画するレンダリング手法。フォワードレンダリングともいう。ディファードシェーディング(Deferred Shading)に比べてポストプロセスの自由度は低いが、(何も物を配置しなかった際にかかる)最低限の描画コストが低く、アンチエイリアス処理などにおいてフォワードシェーディングの方が有効な分野も存在する。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!