「MaxQ Spaceflight Toolkit」がリリース。実際の宇宙ミッションで用いられるのと同じ観測データ、アルゴリズムをUE5で利用可能に

2022.06.13
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この記事の3行まとめ

  • NASA開発のSPICE Toolkitを基にしたUE5向けコードプラグイン「MaxQ Spaceflight Toolkit」が公開
  • 実際の宇宙飛行ミッションと同じ観測データやアルゴリズムを無料で利用可能に
  • サンプルマップやスペースデブリを可視化するサンプルプロジェクトも提供される

2022年6月10日、「MaxQ Spaceflight Toolkit」がUEマーケットプレイスでリリースされました。

MaxQ Spaceflight Toolkit」は、実際の宇宙飛行ミッションなどに用いられる観測データや軌道計算などの数学アルゴリズムをUE5上で利用できるようにする、無料のコードプラグインです。

NASAジェット推進研究所(JPL)が運用、開発、提供しているSPICE Toolkitがもととなっており、観測データもJPLからNavigation and Ancillary Information Facility(NAIF)Solar System Dynamics(SSD)を通じて提供されています。

このプラグインはC++ブループリントのそれぞれに、同じ機能を持った計算用のAPIを提供しています。

ブループリントでもC++でも、機能的に全く同じAPIを利用することができる

プラグイン内に内蔵されたサンプルマップやオンラインドキュメントなどから、これらのAPIの使い方を学ぶことが可能です。

サンプルマップの1つ「Positioning」。太陽系の惑星の動きをシミュレートしている

地球軌道上に散らばるスペースデブリ(※)のリアルタイムデータを可視化するサンプルプロジェクトも公開されています。

※宇宙ごみとも呼ばれる、軌道上にある不要になった人工物のこと。廃棄された人工衛星やロケット、またはその破片、部品などが含まれる

開発元であるGamergenicは、宇宙飛行の本格的な可視化や宇宙を舞台とする最先端のゲームを、このプラグインを使うことでプログラミングや宇宙工学を学ばずとも簡単に構築できるようになると述べています。

さらにこのプラグインは、宇宙飛行における難問をリアルタイムで視覚化することで解決し、そして新たな可能性をもたらすとも語っています。

「MaxQ Spaceflight Toolkit」マーケットプレイスページ「MaxQ Spaceflight Toolkit」公式ドキュメントサンプルプロジェクト「ASATDebrisVisualization」リポジトリページ

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