この記事の3行まとめ
- モバイル開発プラットフォーム「Flutter」でのゲーム開発をサポートするツールキットの発表
- モバイル広告やApp内課金などをカバーするテンプレートアプリ
- チュートリアル動画やサンプルプロジェクトなどの情報が用意されている
5月11日に行われた「Google I/O 2022」にて、Googleは「Flutter」の新バージョン「Flutter3」を発表しました。同時に、「Flutter」でのゲーム開発サポートの一環として2Dゲーム開発用キット「Casual Games Toolkit」も公開されています。
「Flutter」はGoogleの提供するオープンソースのモバイル開発プラットフォームで、BMWのモバイルアプリケーションやGoogle Payなどにも採用されています。AndroidおよびiOSのいずれにも対応するアプリを共通のコードを使用して作成できることが最大の特徴で、開発言語はGoogleの開発したDart言語が使用されています。
Flutterを活用して制作されたアプリケーションは、Flutter Showcaseで確認できる。
今回発表された「Casual Games Toolkit」は、「Flutter」でのゲーム開発をより簡単に行うために追加された無料リソースです。
「Casual Games Toolkit」のテンプレートアプリケーションには以下の機能が用意されています。
- メインメニュー作成
- サウンド&ミュージックの再生
- モバイル広告
- アプリ内課金
- アチーブメント、スコアボード
- クラッシュレポートツール「Crashlytics」のサポート
また、このテンプレートアプリケーションを活用例を示したチュートリアル動画資料が新たに公開されました。
動画内でサンプルとして使われている「tic tac toe game(〇×ゲーム)」。リポジトリが公開されており、ブラウザで遊ぶこともできる。
公式ドキュメントでは「モバイルゲームにはアプリ的なゲームとビデオ的なゲームがある」とした上で、「Flutter」に特に向いているのはアプリ的なゲームであると示されています。ビデオ的なゲームを作りたい場合には、Flame Engine(※)のようなゲームエンジンを利用し、コミュニティ内の情報やサンプルプロジェクトなどを積極的に参考にすることを推奨しています。
※Flutter上で動作するゲームエンジンの1つ。
Flame Engineのサンプルプロジェクトの1つ。DartPadで書かれており、ブラウザ上で動作の確認とコーディングをすることができる
更に、ドキュメントではFlame Engineも含めた他のリソースツールも紹介。ドキュメント内にはオーディオ関連やスプライト、アニメーション関連のツールも含まれています。
紹介されているツールの1つ「Spriter Pro」。2Dスプライトアニメーションを簡単に作成することができる