この記事の3行まとめ
- 2025年10月8日(現地時間)、「Blender 5.0」ベータ版がリリース
- ジオメトリノードではソケット形状の仕様が刷新されたほか、ボリュームを編集できる「Volume Grid」の追加などが実施された
- 正式リリースは2025年11月11日(現地時間)を予定している
Blender開発チームは2025年10月8日(現地時間)、オープンソースの無料3DCGツール「Blender 5.0」のベータ版を公開しました。
(画像はBlender公式サイトより引用)
現在「Blender 5.0」はバグ修正を目的に開発が続けられており、今後は2025年11月5日に「Blender 5.0」のリリース候補版(Release Candidate)、11月11日に正式版がリリースされる予定です(いずれも現地時間)。
なお同日2025年10月8日(現地時間)には「Blender 5.1」アルファ版がリリース。「Blender 5.1」では今後も新機能の開発が進められるとのこと。
ジオメトリノードでボリュームを編集できる「Volume Grid」が追加。ソケット形状なども刷新
「Blender5.0」では、ジオメトリノードに関する多数の改善が実施されました。
例えば、ジオメトリノード上でボリュームデータを編集できるデータ型「Volume Grid」が追加。OpenVDBでDensity(密度)や速度(Velocity)などの値を格納・管理し、流体シミュレーションのような挙動を作成できます。
「Volume Grid」の使用例を示した動画。Velocityに従いボリュームを流動させている様子(動画はDeveloperポータルの記事より引用)
異なる2つのメッシュ「Cube」「Cylinder」から生成したDensity Gridを合成し、単一のボリュームエフェクトとしてレンダリングした様子(画像はDeveloperポータルの記事より引用)
ジオメトリノードのソケットに関しては、ソケットを接続するたびに形状が動的に変化していた仕様が廃止され、各ソケットが扱うデータに対応して形状が一意に定まるように。またソケットの形状が示す意味も再定義されています。
更新されたソケット形状。円形は動的なデータ、長方形は単一の値、ひし形はフィールド(ジオメトリの各要素に対して個別に算出される値や関数)を意味している(画像はDeveloperポータルの記事より引用)
そのほか、複数ノードから受け取ったデータを1つに集約して引き渡せる「Bundle Node」や、特定のロジックをカプセル化して異なるジオメトリに対して再利用を可能とする「Closures Node」などが追加されました。
「Bundle Node」の使用例。CubeとCylinderのメッシュデータが統合され、1つの「Bundle」として受け渡されている(画像はDeveloperポータルの記事より引用)
「Closures Node」の使用例。地形をプロシージャルに生成するノードグループの本筋から切り離された位置に、樹木の配置を決めるロジックを組み込んでいる(画像はDeveloperポータルの記事より引用)
コンポジターの機能追加・改善
コンポジターに関しても多数の改善・機能追加などが施されています。
一例として、頻繁に使用するノードの組み合わせなどをアセットとして一覧し、エディター上から手軽に使用できる「Asset Shelf」がコンポジターに搭載されました。
(画像はBlender Projects portalより引用)
コンポジターではほかにも各種ノードの追加や、従来版では非推奨とされていたノードの削除といった多数の機能修正・改善が実施。詳細は公式ドキュメントにまとめられています。
そのほかBlender 5.0のアップデート内容に関する情報は、Developerポータルの公式ブログやリリースノート、Developerフォーラムをご確認ください。
「Blender 5.0」リリースノート「Release cycle: Now at 5.0 Beta (and 5.1 Alpha)」Developer Forum