この記事の3行まとめ
- トイロジック、「ゲーム中のサウンドにリアルタイムで遮蔽感を与えるアイデア」と題した記事を公開
- リスナーと音源の間に障害物がある際のサウンドの減衰を、オーディオミドルウェア「Wwise」で計算する手法を紹介
- 部分的な遮蔽を計算する「Obstrcution」と、壁などの完全な遮蔽を計算する「Occlusion」といったパラメータを使用している
トイロジックは2025年4月23日(水)、「ゲーム中のサウンドにリアルタイムで遮蔽感を与えるアイデア」と題した記事を、同社開発ブログ「トイログ」にて公開しました。
同記事では、障害物の影響を受けて減衰するサウンドを、オーディオミドルウェア「Wwise」を用いて実装する手法について解説しています。
開発ブログ【#トイログ📝】を更新しました。#Wwise を使った3Dゲームにおけるサウンドの遮蔽感について、これまで試してきた実装の中からいくつかのアイデアをご紹介します。
サウンドのリアリティ向上に興味のある方はぜひご覧ください。
▼記事はこちら
— トイロジック (@Toylogic_Inc) April 23, 2025
開発ブログ【#トイログ📝】を更新しました。#Wwise を使った3Dゲームにおけるサウンドの遮蔽感について、これまで試してきた実装の中からいくつかのアイデアをご紹介します。
サウンドのリアリティ向上に興味のある方はぜひご覧ください。
▼記事はこちら
— トイロジック (@Toylogic_Inc) April 23, 2025
音源からの距離に伴って音量が小さくなる「距離減衰」は多くのサウンドミドルウェアやゲームエンジンで標準実装されています。
しかし現実では、壁やパーテーションなどを通して、小さく、くぐもった音に減衰する場合もあります。これは、音の透過や回析といった現象によって生まれています。
記事ではこれらを「サウンドの遮蔽」と呼び、ゲーム上でリアルタイムに表現する場合においてどのような計算をするのかといったアイデアを、Wwiseを用いた例で紹介しています。
(画像はブログ記事より引用)
サウンドの遮蔽の計算には、Wwiseの「Obstruction」および「Occlusion」というパラメータを使用します。
Obstructionはサウンドの部分的な遮蔽をシミュレーションするパラメータで、周囲の物体に反射せず直接リスナーに伝わる「直接音」に影響します。
Obstructionでは、「音源とリスナー間の直線が、どの程度遮蔽されているか」といった内容でパラメータを算出します。記事では、連続的にレイを放出し、その距離や衝突情報の統計から計算する手法を紹介しています。
(画像はブログ記事より引用)
対するOcclusionは、サウンドの完全な遮蔽をシミュレーションするパラメータです。天井や壁に反射してリスナーに伝わる「間接音」を含む、音全体に影響を及ぼします。
こちらでは「音源とリスナー間の空間が、どの程度音が伝わりやすいか」といったパラメータを、壁の面積と、その壁にあいている穴の大きさの情報から算出する手法などを紹介しています。
(画像はブログ記事より引用)
記事では、「処理負荷がかかる」「ユーザーにとって不利益になりえる」といった理由からサウンドの遮蔽が必ずしもゲームで実装されるわけではないとしつつ、使いどころを正しく理解して提案・実装することが大切であると結んでいます。
各アイデアの具体的な計算方法などは、トイロジック技術開発ブログをご確認ください。
「ゲーム中のサウンドにリアルタイムで遮蔽感を与えるアイデア」トイロジック技術ブログ