「Godot Engine」をノーコードで使える!Godotを改造した2Dアクション制作ツール『ACTION GAME MAKER』の使い方【TGS2024】

「Godot Engine」をノーコードで使える!Godotを改造した2Dアクション制作ツール『ACTION GAME MAKER』の使い方【TGS2024】

2024.09.27
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2024年9月26日(木)から29日(日)の4日間、幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2024」。今回は、Gotcha Gotcha Gamesが開発する、2Dアクションゲーム制作ツール「アクションゲームツクール」シリーズ最新作『ACTION GAME MAKER』を紹介します。

TEXT / 神谷 優斗

目次

ノーコードで2Dアクションが制作可能

「RPG Maker」シリーズ(旧「RPGツクール」シリーズ)は、1990年よりGotcha Gotcha Gamesが開発を続けるプログラミング不要のゲーム制作ツールです。

シリーズ最新作となる『ACTION GAME MAKER(以下、アクツク)』は、2018年にPC向けにリリースされた『アクションゲームツクールMV(以下、アクツクMV)』の後継ツール。主に2Dアクションゲーム制作に特化しています。

アクツクでは、シリーズ初の試みとして、オープンソースのゲームエンジン「Godot Engine(以下、Godot)」をベースに開発を進めています。レンダリングやアニメーション、タイルマップなど、Godotが持つ多彩な2D機能を引き継ぎつつ、ノードベースのスクリプティングシステムを導入することで、開発に対するハードルの低さを実現しています。

基本機能は「Godot Engine」を引き継ぐ

会場では、アクツクのプロデューサー 森野 友介氏に、アクツクを使用したゲーム制作の流れや独自のスクリプティングシステムの概要、Godotを採用した理由などについて伺えました。

Gotcha Gotcha Games プロデューサー 森野氏

Godotにおける「ノード」や「シーン」などのシステムは、アクツクにおいてもそのまま使われています。

ゲームにおけるレベル(ステージ)やアイテム、地形などは、ひとつのシーンとして扱われます。エディタ上で「アイテムのシーン」を「レベルのシーン」にドラッグ&ドロップすることで、レベルにアイテムを配置できる仕組みです。

Godotと同様、エディタ画面左上のシーンツリーでシーンを管理する。アクツクでは、Godot標準のノードを拡張した「GameObject」と呼ばれる独自のノードが基底クラスになるという

アクツクにおけるユニークな点として、ゲームの設定がノードとして作られていることが挙げられます。プレイヤーキャラクターのHPなどが、ノードのプロパティとして用意されています。

設定用のノードをシーンに追加することで、プレイ中に設定が適用されるようになる

レベル全般の設定を行う「BaseSettings」ノード

プレイヤーキャラクターの移動やジャンプの設定を行う「MoveAndJumpSettings」ノード

独自の変数も設定用のノードで管理できる

サウンドのデータベースを管理する画面

プログラミング不要のスクリプティングシステムを採用

Godotでは「GDScript」と呼ばれるスクリプティング言語を使ってゲームの仕組みを記述するため、プログラミングの知識が必要です。一方で、アクツクではノードを使って仕組みを構築できるため、プログラミング未経験であってもゲームを制作できます

ノードによるスクリプティングシステムは、前作のアクツクMVを踏襲しています。ステートマシン(※)のような仕組みになっており、「状態」に対応したノードと、ノード同士をつなぐ線で「状態間の遷移条件」を設定することで、ゲームのロジックを組み立てます。
※ ある概念を、状態と遷移条件によって表現する手法。ゲームでは、敵キャラクターのAIやアニメーションの制御などに使われる

プレイヤーキャラクターの状態遷移を構築するノード群

各ノードでは、「実行中に再生されるアニメーション」と「アクション自体の設定」を併せて行います。

ノードとアニメーションを対応付けられる

ノード間をつなぐ線は、「リンク」と呼ばれます。リンクには遷移条件が設定でき、条件が満たされると接続されたノードへ状態が移行します。

リンクをクリックすると赤くハイライトされ、画面右側で遷移条件を設定できるようになる

遷移条件は複数指定できる。「複数の条件のうち、いずれかが満たされたときに遷移する」なども設定可能だ

壁つかまりや壁ジャンプの仕組みを構成するノード群

プレイヤーキャラクターなどの2Dアニメーションは、Godotの機能を使って制作します。

アニメーションの方向転換など、アクツク独自の機能も拡張されている

前作のアクツクMVでは、複雑なアクションゲームやアクション以外のジャンルを作りたくなったユーザーが別のゲームエンジンに移行する際に、ゲームエンジンの使い方を1から学びなおす必要がある点が課題となっていたそうです。

そこで、Godotをベースとすることで、アクツクのユーザーが自然とGodotの知識を身に着けられます。プログラミング言語を使用した高度なシステムを作りたくなったユーザーがそのままGodotに移行できる導線が、Godotを採用した利点であると森野氏は語ります。

出展時点で、アクツクは4〜5割程度の完成度であるそう。今後は、ノードや設定の拡充、シーン遷移機能の追加などが予定されています。

会場では、アクツクを使ったデモゲームがプレイできた。キャラクターや背景など、トゲの画像を除くすべてのアセットがアクツクに同梱される予定だ

「W4 Games」との連携により、コンソール出力をサポート予定

アクツクでは、「W4 Games」との連携により、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、PlayStation®5へのエクスポートに対応する予定です。

アクツクMVでは自社でコンソール出力をサポートしていましたが、3つのコンソールを継続してサポートし続けるのは大きなコストがかかっていたそうです。そこで、アクツクにおけるコンソール出力は外部サービスを利用しようと考え、W4 Gamesへ打診した経緯があるとのこと。

リリース時には、各プラットフォームと契約を結んだ開発者が、Gotcha Gotcha GamesへWebなどから申請を行うことで、コンソールポーティング用のシステムが解放されるそうです。

今後のGotcha Gotcha GamesとW4 Gamesとの提携については計画の段階であり、現時点では未定とのことです。

販売サイト(ストアページ) https://store.steampowered.com/app/2987180/ACTION_GAME_MAKER/
リリース時期 2025年予定
『ACTION GAME MAKER』Steamストアページ「W4 Games」公式サイト東京ゲームショウ2024公式サイト
神谷 優斗

コーヒーがゲームデザインと同じくらい好きです

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