Googleの対話型AIサービス『Bard』が日本語に対応。利用モデルが「PaLM 2」へ移行し、PythonやFortranのコーディング機能が使用可能に

2023.05.12
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この記事の3行まとめ

  • Googleが、試験運用中のAIサービス『Bard』の日本語対応を発表
  • 『Bard』からの回答を、ワンクリックで「Gmail」や「Google ドキュメント」にエクスポートできるように
  • PaLM 2 に移行し、高度な数学推論スキルやコーディング機能などが利用可能に

Googleは、試験運用中の会話型AIサービス『Bard』が日本語に対応したことを、開発者向けイベント「Google I/O」で発表しました。

Bard』は、2023年3月に公開されたGoogleのサービスで、Googleは『Bard』を「ジェネレーティブ AI を活用してユーザーをサポートする Google の試験運用中のサービス」と位置づけています。大規模言語モデル( LLM : Large Language Model )は記事執筆時点では「PaLM 2」が採用されています。

今まで、『Bard』は英国・米国の限られた人数のみの公開であり、さらに、利用するためにはウェイティングリストへの登録が必要でした。しかし、今回の「Google I/O」でGoogleは日本語と韓国語に対応したことに加え、ウェイティングリストの廃止と、英語版の『Bard』を 180 以上の国と地域へ拡大することを発表しました。

『Bard』は、一つの質問に対して、複数の案を提示するので、ユーザーは好きな回答候補を選択できる(画像はGoogle Japan Blogより引用)

さらに、『Bard』の回答を直接  Gmail やドキュメントにエクスポートできる機能も公開となりました。「回答をエクスポート」アイコンをクリックすると『Bard』からの回答を使ってGmailの下書きを作成したり、Google ドキュメントを作成したりすることが可能です。

今後は「Google で検索」アイコンから、『Bard』の回答を Google 検索で確認する機能ウェブ上でソースを探す機能の追加が予定されています。

ワンクリックで回答をエクスポート可能で、画面を切り替える必要がない(画像はGoogle Japan Blogより引用)

回答に対するフィードバックアイコン(実装済み)だけでなく、今後は「Google で検索」アイコンが実装される予定(画像はGoogle Japan Blogより引用)

さらに今回の「Google I/O」で、『Bard』で利用しているモデルが次世代LLMである「PaLM 2」へ移行したことが明かされています。これにより、高度な数学推論スキルやコーディング機能などを利用できるようになりました。「PaLM 2」は公開されている大量のソースコードデータセットで事前学習しており、PythonJavaScript・Prolog・Fortran・Verilogなどのプログラミング言語のコードを生成できる、とGoogleは発表しています。

また、『Bard』は今後、40の言語へ対応し、Googleのアプリや他企業のサービスと連携を進めていくとのこと。

詳細は、Google Japan BlogまたはGoogle Company newsをご確認ください。

『Bard が日本語に対応』Google Japan Blog『What’s ahead for Bard: More global, more visual, more integrated』Google Company news『PaLM 2 のご紹介』Google Japan Blog

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