この記事の3行まとめ
- Gaijin Entertainment、ゲーム制作プラットフォーム「EdenSpark」を正式にリリース
- 『War Thunder』の開発で用いられたエンジン「Dagor Engine」を採用。AIによる開発支援機能を備え、MCPサーバーも標準搭載
- 専用サーバーを立てずにマルチプレイを実現できる機能が追加。HDレンダラーのGI処理改善なども行われた
Gaijin Entertainmentは2026年9月30日(現地時間)、ゲーム制作プラットフォーム「EdenSpark」のバージョン1.0をリリースしたことを発表しました。
「EdenSpark」エディター画面(画像はニュースリリースより引用)
EdenSparkは、ゲームエンジン機能と、作品を公開・共有するプラットフォーム機能が一体化したサービスです。
制作したゲームを直接「カタログ」にアップロードできるほか、.exeファイルなどを含む単体のビルドとして出力し、個人サイトなどで配信することも可能。ゲームの権利はすべて開発者本人に帰属します。
PCゲームだけでなくコンソール向け開発も可能であるとしており、公式サイトのロードマップによると、2026年秋にPC向けのソースコード公開およびPlayStation・Xbox向けのリリースが予定されています。
ゲーム制作用テンプレートやデモゲームが並ぶランチャー画面(画像は公式ドキュメントより引用)
ゲームエンジンは、同社が『War Thunder』の開発などで用いた内製エンジン「Dagor Engine」を使用。スクリプト言語には、Pythonに似た構文を持つ静的型付けの「Daslang」を採用し、レンダラーは2Dにも対応した「Standard」と、PBRやグローバルイルミネーション(GI)を備えた「HD」の2種類を搭載しています。
また、エディタにはローカル画像生成モデル「Eden Image Mini」など、AIによる画像や3Dモデルの生成機能が組み込まれています。
EdenSparkは2025年11月よりクローズドベータテストを、2026年2月にオープンベータテストを実施。その後も複数回のアップデートを経て、このたび正式版としてバージョン1.0がリリースされました。
なお2026年6月より、EdenSparkを用いて1か月間でゲームを開発する公式ゲームジャムが展開中。これまで3回にわたり開催されており、10月には第4回のゲームジャムもスタート。すでにカタログには50本以上のゲームが公開されています。
専用サーバー不要のマルチプレイが可能に
バージョン1.0ではマルチプレイ機能が実装。部屋を作ったプレイヤーのゲームがサーバー役を担い、ほかのプレイヤーはクライアントとして接続する仕組みで、別途サーバーを用意する必要はありません。ゲーム内から直接ロビーを開いてフレンドを招待する機能も用意されており、ネットワーキングAPIでゲームに組み込めます。
同期したいコンポーネントに[replicated]というアノテーションを付けることで、サーバー側のコンポーネントが全クライアントに複製され、そのコンポーネントを持つノードの位置やメッシュ、コリジョンといった情報もあわせて同期されます。通信パケットの到達間隔を補間して動きを滑らかに見せる処理と、移動中のオブジェクトが物理制御に基づき衝突するようにする処理はエンジン側が担います。
マルチプレイ機能は開発段階であり、今後のアップデートで拡充していくとしています。
キャラクターの体力を回復させる計算と同期処理の実装例(画像はアップデートノートのスクリーンショット)
画角外のemissive surfaceもGIに反映
HDレンダラーでは、画角外にあるemissive surfaceもグローバルイルミネーションの間接光として計算に含まれるように。また、発光が計算に与える影響も大きくなり、発光するオブジェクトをarea lightとして運用可能となりました。
画角外のarea lightをグローバルイルミネーションに含めない場合(画像はアップデートノートより引用)
画角外のarea lightをグローバルイルミネーションに含めた場合(画像はアップデートノートより引用)
あわせて、ポイントライトとスポットライトにisStaticプロパティ(※)が追加されました。動的なライトによる間接光をGIの計算から除外し、処理負荷やノイズを抑制する目的で導入されたもので、デフォルトではオフとなっています。
※ 対象が静的であるか否かを判定するプロパティ
MCPサーバーを標準搭載
EdenSparkはMCPサーバーを標準搭載し、Claude CodeやCodex、Cursorといった外部AIエージェントを接続することで、シーンの読み取りやボタン操作、スクリーンショットの撮影などを実行できます。
(画像はニュースリリースより引用)
そのほか、UIキャンバスを特定のカメラのビューポート内や3D空間内に置けるようになったほか、ボタンとトリガーやジョイスティックなどのアナログ入力を同じ判定方法で扱えるようになるなど、さまざまな機能追加や改善が施されています。
詳細はニュースリリースやアップデートノートをご確認ください。
「Big Update EdenSpark 1.0」ニュースリリース「EdenSpark Update 1.0」アップデートノート