「ROG Xbox Ally X」および「ROG Xbox Ally」は、マイクロソフトとASUSが協力して開発した携帯型ゲーミングPC。Xboxのサービスに最適化された設計が特徴だ。
発売日は2025年10月16日(木)で、価格は上位モデルの「ROG Xbox Ally X」が139,800円(税込)、標準モデルの「ROG Xbox Ally」が89,800円(税込)。
本稿では、ASUSが9月18日に行ったプレス向け内覧会の様子をレポートする。
「ROG Xbox Ally X」および「ROG Xbox Ally」は、マイクロソフトとASUSが協力して開発した携帯型ゲーミングPC。Xboxのサービスに最適化された設計が特徴だ。
発売日は2025年10月16日(木)で、価格は上位モデルの「ROG Xbox Ally X」が139,800円(税込)、標準モデルの「ROG Xbox Ally」が89,800円(税込)。
本稿では、ASUSが9月18日に行ったプレス向け内覧会の様子をレポートする。
TEXT / 松井 ムネタツ
EDIT / 神谷 優斗
ROG Xbox Ally XはCPUにAMD Ryzen AI Z2 Extremeを搭載し、メモリは24GBでSSDは1TB。USBはType-Cが2つ(USB4と3.2)で、バッテリー駆動時間は13.9時間(動画再生時)、本体重量は約715グラム。
ROG Xbox Ally はCPUがAMD Ryzen Z2 Aでメモリは16GB、SSDは512GB、USB 3.2 Type-Cが2つ。バッテリー駆動時間は10.4時間(動画再生時)で、重量は約670グラムとROG Xbox Ally Xより少し軽い。
ディスプレイはどちらも7インチIPS液晶で1,920×1,080ドット、最高輝度は500nitsで応答速度は7ms、リフレッシュレートは120Hz。
サイズは、どちらも幅290mm×奥行き121mm×高さ27.5~50.9mm。ROG Allyと比べて幅と奥行きが約10mmずつ大きくなっている。
「ROG XBOX ALLY」シリーズ 製品ページ内覧会では、関係各社のキーパーソンが登壇し、製品の特徴を詳しく紹介した。
ASUS JAPAN コンシューマービジネス事業部統括部長 デビット・チュー氏からは、ASUSのゲーミングPCブランド「ROG」のラインナップが紹介された。「すべてのゲームを手のひらに」をキャッチコピーとする「ROG Ally」シリーズは、日本のWindows搭載携帯型PC市場においてトップクラスの存在感を示している。
ASUS JAPAN マーケティング部 PRマネージャー 藤原 拓馬氏は、ROG Xbox Ally XおよびROG Xbox Allyの詳細を解説。専用のXboxボタンを搭載し、Xboxコントローラーのデザインエッセンスを取り入れた点を強調した。
日本AMD 代表取締役副社長 関 路子氏は、本機に搭載されているプロセッサーについて解説した。
ROG Xbox Ally Xに搭載されているRyzen AI Z2 Extremeは、2025年1月のCES(コンシューマー・エレクロトニクス・ショー)で発表された携帯型PC向けプロセッサー。CPUアーキテクチャはZen 5、GPUアーキテクチャはRDNA3.5、さらにはAI処理を担うNPU(50 AI TOPS)を統合しており、Copilot+ PC の性能要件も満たしている。
ROG Xbox Allyに搭載されているRyzen Z2 Aは、省電力設計で低価格機向けに設計された、Ryzen AI Z2 Extremeとは異なる立ち位置のプロセッサーだ。方向性の異なる2つのプロセッサーがあったことから、同シリーズは2ラインナップ展開となったのだろう。
Xbox シニア プロダクト マネジャー リード ドミニク・ゴードン氏からは、「XboxのゲーミングPC」としての特徴を解説。
最大の特徴は「Xbox フルスクリーンエクスペリエンス」で、バックグラウンドサービスやタスクを最小限に抑え、より多くのシステムリソースをゲームプレイに割り当てることが可能だ。また、Steam、Epic Games Store、Battle.net、Xbox Game Passなどで購入したすべてのゲームを一元管理できる「統合ゲーム ライブラリ」機能も提供される。
また、10月16日の発売と同時に「Handheld Compatibility Program」が開始される。これにより、Microsoft Storeにおける各ゲームタイトルのストアページで、該当のタイトルが携帯型ゲーミングPCにどの程度対応しているのかがアイコンで示されるようになる。グラフィックやボタン、文字サイズなどすべて携帯型PC用に調整されたタイトルには緑色のマーク(Handheld Optimized)が、プレイヤー側での設定調整が必要だが、おおむね対応しているタイトルは黄色のマーク(Mostly compatible)が付く。
そのほかにも、ベンチマークに基づくパフォーマンス評価も行われる。同プログラムは、すでに『Hollow Knight: Silksong』や『Gears of War: Reloaded』などの対応が発表されている。
内覧会では、「ROG Xbox Ally X」「ROG Xbox Ally」の実機に触れられた。
他の携帯型PCと決定的に異なるのは、起動時に自動でXboxアプリが立ち上がる点だ。これにより「電源オン → 即ゲームが遊べる」という、コンシューマーゲーム機のような操作感を実現している。
本機を触って、まず第一に「非常に持ちやすい」印象を感じた。グリップ部分がXboxコントローラーに近い設計のため、とても手になじむ。
また、Xboxボタンの操作感など、細部で既存のXboxアプリやXbox Series X/Sと勝手が違う部分はあるものの、Steamのゲームもまとめて管理できる点はとても便利だと感じた。
試遊機では『ELDEN RING NIGHTREIGN』や『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』など最新タイトルが用意されていたが、いずれもスムーズに動作していた。
さらに、外付けGPU「ROG XG Mobile(2025年モデル)」に対応しており、これを接続すればGeForce RTX 50シリーズのグラフィック性能でゲームをプレイできる。外出時は本機のみ、家ではより高性能なグラフィックで……という遊び方も楽しめそうだ。
最後に重要な点を整理したい。ROG Xbox AllyシリーズはXbox Series X|Sのゲームを直接実行できるわけではない。あくまでWindows 11マシンであり、動作するのはWindows向けゲームだ。
ただ、「Xbox Play Anywhere」により、Xbox向けに購入したゲームの多くはPC版でもプレイ可能で、セーブデータも共有できる。この意味では「Xboxのゲームが遊べる携帯ゲーム機」と言えなくもないだろう。
このような新しい取り組みの第一世代として、今後の発展・展開に期待が高まる。
パソコンゲーム雑誌、アーケードゲーム雑誌、家庭用ゲーム雑誌を渡り歩き、現在はフリーのゲーム系編集/ライター。マイベストゲームは『ウィザードリィ 狂王の試練場』で、最近だと『Forza Horizon』シリーズに大ハマリ。メインPCはAlienware Aurora。セガ・レトロゲーム系メディア「Beep21」副編集長をやりつつ、ボードゲームメディア「BROAD」編集長も兼任。
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